あのスコッチの黒ラベルの顔に、女性がデビューへ!

スコッチを口にする方ではなくとも、片めがねをかけ、赤いコートにステッキを持って颯爽と闊歩するあの紳士はご存知でしょう。

ジョニー・ウォーカーは、言わずと知れたスコッチの代名詞。19世紀にスコットランドはキルマーノックで誕生し、今では世界の約200ヵ国で、1億2,000万本の販売を誇るといいます。赤ラベルから12年物で黒ラベル、15年物のグリーンラベル、ゴールドラベルなど、製法や年代を色で表示する斬新なアイデアを継承し、アイコニックな存在を維持してきました。ニューヨーカーにもファンが多く、我が家のハウスパーティーに最高峰ベリー・オールドのジョニー・ウォーカー・ブルーを持参する強者もいらっしゃいましたねぇ。

1820年創業から約200年、いま老舗ブランドを現在抱えるのは、英酒造メーカーのディアジオです。時の移り変わりとともにオーナーが入れ替わったように、直近では時流に合わせ、1908年から維持してきたロゴに新たな仲間を加えることを決定しました。

ご覧下さい、ジェーン・ウォーカーです。
105034351-Johnnie_Walker_Black_Label_The_Jane_Walker_Edition_crop.600x400
(出所:CNBC

女性活躍が叫ばれるトレンドの波に乗り、3月1日からジェーンをデビューさせます。ジョニーのようにシルクハットとステッキ、テールが効いたコートを着用していますが、蝶ネクタイの代わりにネクタイで全体をキリリと引き締めます。その一方でゆるやかな曲線を描くデコルテ、シルクハットからなびく長い髪、口角の上がった唇が女性らしさを存分に醸し出していますね。日本で言うジョニ黒で投入され、米国でのお値段は34ドル也。売上の1%は、女性活躍支援団体に寄付されるといいます。

女性ファン獲得に、お見事な戦略を実現したと言えるでしょう。ただ個人的には、F1のレースクイーンが廃止された事例を思うと、ジェーンの艶やかな姿が一部のフェミニスト団体から「女性蔑視だ!」と反感を買わないか心配です。

(カバー写真:Andy Ramdin/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年2月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。