本日の証人喚問にどう臨むか

本日の佐川氏の証人喚問に世間の関心がどんどん集まってきているようだ。

証人喚問は政治ショーでしかなく、証人喚問で真相の解明が進むということはあり得ない、と醒めた目で明日の証人喚問を受け止められている方が大半だと思うが、私は、ひょっとしたらひょっとするぞ、と半ば期待しながら証人喚問を見守っている。

決裁済み文書の改竄自体はどうやら否定し難い事実のようだから、佐川氏は案外あっさりと改竄なり改竄の指示は認めるのではないだろうか。

何でもかんでも証言を拒否してしまうと、証人は疚しいことがあるから証言を拒否しているのだろうという印象を決定的に残してしまう。

証言を拒否する部分は最小にして、答えられる質問には出来るだけ答えるように努めている、という印象を残せるような証人喚問にしよう、というのが佐川氏側の証人喚問に臨む基本方針だろうと思っている。

如何に自分の証言に真実性、信用性を漂わせるか。
佐川氏や佐川氏の補佐人になる弁護士だったら、そういうことを考えるはずである。

自らの過ちを率直に認め、いかにも洗い浚い本当のことを語っているような印象を残せば、佐川氏の証言を額面通り受け止めてくれる人がそれなりに出てくるはずである。

刑事訴追の虞があるからということで殆どの質問に対して証言を拒否してしまうと、仮に佐川氏が官邸からの指示を頑強に否定しても、嘘を吐いているに違いない、あやしい、ということになってしまう。

自民党の質疑者は、決裁済み文書の改竄の指示なり、これに類した一切の働き掛けはなかった、という証言を佐川氏から引き出したいところだろうが、佐川氏が証言拒否権を乱発していると、折角の佐川氏の同趣旨の証言も信用されないことになってしまう虞がある。

佐川氏の証人喚問の結果如何で永田町の空気が一変することになるかも知れないのだから、やはり見逃せない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。