子どもたちがコンピュータサイエンスを学ぶ『Computer Science Education Week』が毎年開催されている。期間中には35000を超えるイベントが開催され、1500万人が学習するそうだ。
大谷翔平がメジャーデビューを果たしたカリフォルニア州オークランドも、この週間に参加している。市教育委員会サイトには2016年の様子が掲載されているが、中学・高校のコンピュータサイエンスクラスへの入学者が10倍増加したと書かれている。
オークランドはマイノリティ比率が高い自治体で、記事にはヘジャブを付けた少女の写真が添えられている。マイノリティや女性が情報社会に乗り遅れないように教育する重要性はかねてから指摘されてきた。写真はそれを意識したものだろう。
カリフォルニア州は幼稚園から高校三年までのコンピュータサイエンス教育を強化すると昨年発表した。社会を学び科学を学ぶのと同じように、デジタルワールドがどのように働いているか、またデジタルワールドが新しいどんな問題をもたらすかを理解することは子供たちにとって重要である。この認識の下で、カリフォルニア州は計算論的思考や問題解決方法などを学ぶコンピュータサイエンスの教育を提供していく。
わが国でも、2020年から小学校から同様の教育が実施される。しかし、学習指導要領に「児童がプログラミングを体験しながら」と書かれているため、プログラミングが重点であるかのような誤解が一部にある。名は体を表す。「プログラミング教育」という表現をやめて、「コンピュータサイエンス教育」に変えてはどうだろうか。
山田 肇
『ドラえもん社会ワールド 情報に強くなろう』監修