小学生から高校生が出場する『ロボカップジュニア・ジャパンオープン2018和歌山』を見学した。ロボット・サッカーのほか、黒線の上を走行する競技、迷路を脱出する競技などに、全部でおよそ500名が参加した。
子どもたちは、試合直前までサッカーロボットのプログラムをチューニングする。経路を邪魔する鉛筆で止まってしまう、迷路で迷うといった失敗を乗り越えようと懸命にロボットを調整する。断線を修理するために、はんだごてを握る子供たちも印象的だった。
ロボットにパフォーマンスさせる競技には小学生チームが参加していた。ラーメンロボットのパフォーマンスでは、チケットをかざすとその色を判定して「みそ」「しお」といった注文をロボットが認識する。他にも調理を担当するロボット、麺に見立てたゴム糸を巻き上げてラーメンを食べるロボットなどがあり、Bluetoothで信号をやり取りして連動するようになっていた。
グループで協力して課題を解決しようとロボットを動かす参加チームの姿は、「プログラミング教育」として理想に近い。また、会場には和歌山市内の幼い子供たちが大勢見学に来ていた。お兄さん・お姉さんたちの姿を見たこの子らに、参加者の経験が伝えられていく。
和歌山には島精機というニット加工ロボットでは世界トップの企業がある。この島精機が大きな寄付をして大会が実現し、今年から3年連続して和歌山で開催されるそうだ。この大会は、和歌山に「プログラミング教育」「コンピュータサイエンス教育」を根付かせるきっかけになるかもしれない。
山田 肇
『ドラえもん社会ワールド 情報に強くなろう』監修