新聞の折り込みに、面白い不動産の広告がありました。六本木の新しくできたタワーマンションですが、分譲と賃貸が同じチラシの上下に掲載されているのです(写真)。
間取りや階数も上下で似ている物件があり、分譲価格と賃貸の家賃からざっくりと賃貸利回り(表面利回り)を計算することができます。
77平米の約3億円の分譲価格の物件と、ほぼ同じ広さの賃貸物件の家賃が67万円でした。年間で約800万円。賃貸利回りは2.7%となります。
家賃もかなり高いですが、それ以上に分譲価格は割高に見えます。新築プレミアムが価格に上乗せされ、東京ミッドタウン(日比谷ではない方)の近くという希少性、そして将来のキャピタルゲインの期待値が価格に織り込まれているという訳です。
例えば、同じ六本木エリアで、私が2月に購入したの中古ワンルームマンションは、2000万円台前半の価格で、家賃は管理費込で10万円。表面利回りで5%程度と新築タワーマンションの約2倍になります。
もし、この3億円の物件を購入して住むのなら、同じような物件を毎月67万円の家賃で借りて、購入資金を利回りの良いワンルームマンション投資に回した方が、経済合理的と言うことになります。もし5%で運用できれば、年間1500万円の家賃が入ってくることになります。
もちろん、これはインカムゲイン(家賃収入)だけを考えた単純計算で、実際には手数料や管理費、借入の場合はローン金利など、細かい要因を加味していく必要があります。
また、将来の値上がりに関しては、どちらが有利かわかりません。しかし、新築プレミアムが価格に上乗せされているタワーマンションの方が割高感があるというのは間違ってはいないでしょう。
都心の中古不動産の投資に関しては、「初めての人のための99%成功する不動産投資」に具体的にまとめて書いています。
それにしても、チラシの入っていた物件は、完成したばかりなのに、これだけの売却と賃貸の部屋があるというのは、転売や節税目的で購入した人がかなり多いことを示していると思います。実需で買って住む人は果たしてどのくらいいるのでしょうか?
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年4月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。