仕事ができる人

ひと月前ダイヤモンド・オンラインに、「一目置かれ、仕事ができる人の共通点とは?」という記事がありました。筆者曰く、その人とは「単に担当している仕事を早くそして高いパフォーマンスで行える」だけでなく、「みんなが実は大事だと思っているけれど、でも自分の担当じゃないから……と見ないふりをしているものごと(中略)に積極的に取り組んでいく人」だとしています。

そしてそれに続けては例話を交え、「目の前に落ちているゴミをまたがない」姿勢が大事であると述べています。勿論「そこにゴミがあると気がついたのならば、拾えばいい。自身がゴミを捨てる担当でないとしても、見過ごすことなくゴミ箱に入れたらいい」でしょう。しかし、私は此の姿勢と仕事ができるということは全く関係ない話だと思います。

私見を申し上げれば仕事ができるとは、先ず与えられた仕事につき時間を掛けずに終始先後の判断を行い、そして一気呵成に右から左へ流れるよう唯ひたすらに片付けて行くです。明治の知の巨人である森信三先生の言葉を借りて述べますと、「少しも仕事を溜めないで、あたかも流水の淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく」のことであります。

それから余分な時間を作ったら、次には自分が今やっている仕事に関し、「もっと効率的に完璧にこなすにはどうしたら良いか」「より生産性を上げるには…」「如何にして改善・改良を成し得るか」等々と、次から次に考えることが大事だと思います。そして更には自分が担当している仕事につき、会社全体の方向性の中で位置付けて行くことが出来る人を私は評価します。

結論から言えば、自分の所属している部署にとって、会社にとって、あるいは社会にとって、自分の仕事の意義を本当に理解した上で、その意義を具現化するため一生懸命に全力投球するわけです。真に仕事ができる人は、出来るだけ品質の高い商品・サービスを提供するには如何なる方法があるかといった類を超え、イノベーションを起こして行くことは本当に不可能かといった所までどんどんと考えを膨らませながら、新たな仕事を創り出して行くものです。

BLOG:北尾吉孝日記
Twitter:北尾吉孝 (@yoshitaka_kitao)
facebook:北尾吉孝(SBIホールディングス)