こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。先日「世界で最も楽しい」幼稚園として有名な「ふじようちえん」を視察してきました。
私は、この幼稚園の一つ一つの工夫にとにかく感動しました。まず目を引くのは独特な校舎の形です。この円形の校舎は建築家の手塚貴晴さんが手掛けたもので、日本建築家協会賞を始めとして数々の受賞をしています。上から撮った写真はこんな感じ↓
私が視察に行った日も、この円形の校舎を子供たちは楽しそうに走り回っていました。ふじ幼稚園の子供たちは、他の幼稚園に比べておよそ3倍の距離を走るそうです。もちろん走ることを強制はしていません。子供たちが自ら走りたくなるように、園舎自体を子供たちの遊具と捉えて円形に設計されたそうです。
このドーナツ型の施設の一階に教室があります。同じく1階にある職員室はこんな感じでフルオープンです↓
職員室の一角にある加藤園長の席も、幼稚園全体が見渡せる場所にあります。この幼稚園では、とにかく死角を少なくしていて、例え不審者が入っていても、どこからでも捕捉できるようになっているそうです。加藤園長曰く「オープンであることが最大のセキュリティ」とのこと・・・なんだか政治家へのメッセージに聞こえました。
ふじ幼稚園は、モンテッソーリ教育の考え方に基づいた運営がされています。加藤園長が「園舎も先生も子供たちが自ら育つための道具です。私たちは子供たちを管理したり、過保護にしたりしません。」とお話しされていたのは、とても印象的でした。
その他にも、野外教室があったり、農場があったり、ネイティブによる英語教室があったりと、子どもたちの体験による学びを大切にしていました。個人的に感銘を受けたのは、水道の受け桶を敢えて撤去したエピソード。水が跳ねて足が濡れる体験をした子供たちは、やがて水の使用後には必ず蛇口を閉めるようになるそうです。
ふじ幼稚園は、立川駅から車で15分ほどの郊外にあります。現在600名近くの園児がいて、毎年多くの応募があるそうです。最近では、中国を中心とした海外からの視察も絶えないとのこと。実際に訪れてみて、世界が注目する理由がよく分かりました。
帰り際に副園長に云われました。「私たちから見たら、認可保育も、認可外保育も、認証も、幼稚園も、みんな同じです。都の助成制度はそれぞれ違うけれど、私たちは、子供たちが豊かに育つ環境をどうやったら作れるか、それだけを考えています。」と。
いま待機児童がなかなか解消されないのも、認可と認可外の大きすぎる財政補助差に本質的な原因があります。ふじ幼稚園のような素晴らしい環境を、どうやったら一人でも多くの子供たちに提供することが出来るのか、私も現行の行政の区分に囚われず、より良い制度を模索していきたいと思います。
編集部より:この記事は東京都議会議員、鈴木邦和氏(武蔵野市選出、都民ファーストの会)のブログ2018年4月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は鈴木氏のブログをご覧ください。