予想できない相手が一番恐ろしい⁉︎

ジャンケンの必勝法をご存じだろうか?
グー、チョキ、パーを3分の1の確率でランダムに出していくことだそうだ。

人間には癖があるので、完全にランダムというのは実に難しい。
時間的余裕があれば、赤、白、青の玉を袋に入れておいて、出た玉の色で決めるのが一番確実だろう。

実は、サッカーのペナルティキックでも、ほとんどのプロサッカー選手が、左右(真ん中も含むか)をランダムで蹴っていることが調査で判明した。
同様に、キーパーもランダムに右や左に跳んだりしているそうだ。

感覚的に蹴って癖を見破られた選手は、たちどころに脱落してしまうシビアな世界なのだ。

ランダムではないものの、ビジネス業界で最も恐ろしいのは「採算度外視」で行動する企業や人だそうだ。
ビジネスでは、同業他社等の動きを予想しながら自社にとって最も利益が高くなる方策を取る。

ところが、「採算度外視」で動く会社や人がいると、相手の動きが全く予想できない。
こういう場合、営利企業としては、自社の利益の最大を追及するのではなく、損失を最小限に抑えるマキシミン戦略を採用せざるを得ない。採算度外視の相手とまともにやりあうのではなく、自社の損失を最小限に食い止めるよう工夫するしかないのだ。

私が子供のころ、プロレスごっこが流行っていた。
コブラツイストは簡単にかけることができたが、まんじ固めはとても難しかったのを憶えている。同じ学年の男子が何人かでやっていたのだが、誰からも対戦を敬遠された同級生がいた。

体が大きいわけでもなければ力が強いわけでもない。
「ここまで」と言う手加減ができない相手だった。

子供同士が一生懸命戦っているようでも、「これ以上やるのは危険だ」という本能的とも言える一種の暗黙のルールがある。
それを守らないと、下手をすると大けがにつながりかねない。

私たちの時代は、せいぜい一人か二人だったが、昨今のイジメの報道に接すると、手加減をしない危険な相手が増えたのではないかと危惧している。

荘司 雅彦
2017-03-16

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2019年4月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。