財務次官セクハラ疑惑:女性記者を煙に巻くための発言?

これはもうひと騒動もふた騒動も起きそうである。

こういうことで有能だと思われていた官僚が次から次へと失脚して行ってしまうと、役所がどうなってしまうか心配になるが、まあ、ここは事態の推移をじっと見守るのがいいだろう。

舌鋒鋭く質問してくる記者をどうあしらって絶対に言質を取られないようにするか、ということは高級官僚と言われる方々の処世術の一つだろうと思っているが、さすがにご本人は自分たちの会話が録音されている、ということには気付かなかったのだろう。

ちょっと卑猥過ぎるな、と思うが、あれはセクハラのつもりではなかった、と言われてしまうと、私などはつい許してしまう。下ネタほど罪がない会話は少ないから、洒脱な人は相手を煙に巻くために時々こういう言い方をする。

本気ではないことは相手も十分分かっているから、普通は聞き流して、さらに執拗に質問を続けようとするはずだ。

最近の週刊誌はとにかく政治家や高級官僚のスキャンダル探しに熱心だから、福田さんという財務省事務次官の性癖などを事前に調査し、件の女性記者に同行して一連の会話を録音していたのかも知れない。

ハニートラップ、と言うほどではないが、福田氏は見事に罠に嵌ったのだろう。

セクハラのつもりはなかった、という弁明は、それなりに分かる。

私はこの種の会話が苦手だから、こういう発言で記者の発言を遮るようなことはしないが、豪放磊落で通った人が普通では言わないようなことを言ってしまうことがある、ということはそれなりに知っている。

福田氏は、訴えを起こす、などと息巻いているようだ。

これも牽制の一つである。

まあ、こんなことで本当に最後まで訴訟を続けるような人はいない、というのが、私の経験則だが…。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。