トランプ・安倍の強硬路線がもたらした朝鮮半島の雪解け

首相官邸サイトより:編集部

金正恩がもはや核兵器もICBMもいらないので核実験場も廃棄すると演説。これは、率直に歓迎すべきだ。 金正恩の声明について、慎重な見方がひろがっているし、以下の小野寺防衛相の見解も当然だ。しかし、会談の出発点が核開発の凍結とICBMの実験中止であれば、小野寺氏のいうような点を詰めていけばいいのであって、金正恩の声明を否定的に見る理由はないだろう。

トランプ・安倍の強硬路線の成果である。安倍訪米のタイミングもよかった。ティラーソン国務長官の更迭も、北への断固たる態度を目に見える形で示したという意味で効いている。

「良い交渉は立ち去る勇気を持たねばできない」と安倍首相にトランプ大統領が言明したとABC放送が伝えているが、すばらしい言葉だ。日本人は会談が失敗したらどうしようとびくつくし、程度の低いマスメディアがその方向で騒いでどれだけ国益を損ねていることか。

鉄鋼の関税など、たいして困ることではない。値段が高くなって困るのはアメリカだ。偽リベラル系マスメディアが鉄鋼を解決しなければ日米首脳会談は失敗とか売国報道をすることをこわがって過大な代償を払う愚を起こしては絶対にだめだ。売国メディアから悪く言われるのを恐れて外交などできない。

しかし、偽リベラルにとっては北が核を放棄することはおそらく「悲報」なのであろう。北の核開発に実質的に協力してきた某国立大学関係者にとってもそうだ。しかし、ひどかったのが、今回の日米首脳会談をめぐるマスメディアの軽視ぶり。NHKが硫黄山やセクハラ問題のあとにしか報道しないのだからひどいものだ。外国マスコミが非常に大きく取り上げていたのとあまりにも好対照だった。安倍首相に点数を稼がせない確固たる意思を感じた。

ところで、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)は、米商務省が同社と米国企業の取引を今後7年間禁止するというので、半導体など主要部品の調達を米企業に依存しており、経営に打撃を受けかねないと、強く反発している。

これは北情勢とも関係あることのようにも見える。

①北朝鮮問題で中国が余り誠意ある動き方をしなかった

②アメリカは中国を当てにせずに北と取引を始めた

③北の問題で中国をあてにしないなら経済で強くでればよい

④いまならまだ中国はアメリカと本気で対抗できないからやるならいまだ

という論理回路がホワイトハウスにあるのでないか。

中国が、①太平洋に出てこない②将来は民主化する−−という2点が確保される条件でなら私はかなり親中派である。急速すぎる民主化をしないことにも理解を示してきた。

しかし、そうでないなら、世界文明の主敵であり、日本にとって受け入れられない脅威だ。北については核の問題が除かれ、拉致問題が良識をもって解決されるなら、融和派だ。唐と韓国(新羅)の侵略に日本は高句麗(および百済)と結んで対抗した歴史もある。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信によりますと、20日に開かれた朝鮮労働党の中央委員会総会で、キム・ジョンウン(金正恩)委員長は「われわれには、いかなる核実験も中長距離、大陸間弾道ミサイルの発射実験も必要なくなり、北部の核実験場も使命を終えた」と述べ、核実験とICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験を21日以降、中止し、核実験場を廃棄する考えを表明しました。(NHK)

小野寺五典防衛相はワシントンで「私どもにとっては満足のいくものではない。(日本が射程内の)中・短距離弾道ミサイルや核の放棄に触れていないのでは不十分だ」「国際社会が求めているのは完全で検証可能な不可逆的な方法で全ての大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルを放棄することだ」「日本にとっては中・短距離弾道ミサイルの放棄がなければ意味がない」とした。また、北朝鮮側の今回の報道に関わらず、北朝鮮への「最大限の圧力」を維持する重要性を強調した。(産経新聞などの報道による)

「立憲民主党」「朝日新聞」という名の偽リベラル
八幡 和郎
ワニブックス
2018-02-26