審議拒否で「#MeToo」の不可解!いっそ解散総選挙を

画像は産経ニュースより

新聞各紙の報道によれば、財務省は福田氏から再び聞き取り調査をする方針を明らかにしたとある。福田氏もセクハラ発言を否定しており、財務省はテレビ朝日に対して調査への協力を依頼していた。被害女性の申し出がない限りは事実確認ができない。しかし、名乗りを上げるように求めたことは圧力ととらえらるだろう。これは失当ではないかと思う。

ある大学でセクハラ事件が発生した。サークル活動中、他校の女子大生にセクハラ被害があり、両親が警察に通報したことから事件が発覚した。大学は即座に聞き取り調査をおこなった。しかし事実を確認できなかった。被害女性の申し出がない限りは事実確認ができないので、大学は「被害女性に申し出るように」とマスコミ各社に通達した。

仮に、このような事件が報道されたら一般的にどのようにうつるのか。セクハラを申告した女性の「安全配慮義務違反」にあたる可能性があることから、女性に配慮した丁寧な聞き取り調査が必要になるだろう。決して報道機関の立場が弱者とは思わないが、女性を守るとした、テレビ朝日の立場は理解できる。

麻生太郎財務相は福田氏の一連のセクハラ問題などを受けた自身の進退について、記者団に「考えていない」と述べている。一方、野党各党(立憲、希望、共産、社民など)は反発して審議出席を拒否しているが、この点は不可解である。

まず、福田氏のセクハラ問題と麻生財務相との責任を結びつけることには無理がある。事務次官の社会的責任を鑑みれば、個人的な問題とまではいえないが、資質の問題ではないのか。役員がセクハラ不祥事を起こすたびに社長が退任していたら企業経営は成り立たない。

政治家にパフォーマンスはつきものである。しかし、国会内の合同ヒアリングに、女性議員がそろって黒服姿で出席する姿を見て、有権者にはどのようにうつるのか。審議拒否をして「#MeToo」(私も)は支持される行動なのだろうか。

「泣き寝入りする社会をつくってはいけない」という主張はごもっともである。否定する人はいない。もっと、ほかの方法はなかったのだろうか。私は、2015年の安全保障関連法案の採決時の様子を思い出していた。

審議拒否の影響で、働き方改革関連法案などの審議への影響は避けられなくなっている。通常国会は6月20日に閉幕する。つまり残り2ヶ月しかない。充分に大義はあるので、いっそのこと解散総選挙をされてはいかがだろうか。

尾藤克之
コラムニスト