「NGO・NPOの戦略的あり方を検討する会」を立ち上げた意義

鈴木 馨祐

24日、超党派の議員からなる「NGO・NPOの戦略的あり方を検討する会」を立ち上げ、設立総会を開催しました。

10年位前から、イギリスのキャメロン首相の提唱したSmall Government Big Societyのように、NGOやNPOに政府・行政が担ってきた分野を積極的に担ってもらおうという流れが、先進国を中心に加速してきました。

日本においても東日本大震災を契機に、従来以上にNGOやNPOの役割が社会の中で認識されてきていますが、他の国々と比べるとまだまだというのが正直なところです。

たとえばアメリカやイギリスにおいては、トップの大学の卒業生でもNGOに行く人間がかなり多かったり、その収入もかなりのレベルになるなど、NGO・NPOをボランティアではなくプロフェッショナルとして認識するということが、ごくごく当たり前になっています。

特に最近ではCollective Impactのような概念の下で、セクターを越えて、政府や国際機関、民間企業、NGO・NPO、社会起業家が共通の社会課題の解決に立ち向かうケースも一部で見られつつあります。

紛争後処理、難民、SDGs、災害復興、貧困、教育支援。様々な社会課題が山積する中で、従来のような行政や政府、自治体がその大半を抱え込むというモデルはもはや現実的ではありません。

また、南スーダンをはじめとした様々な国際協力の現場において、日本のNGOが高いレベルにある組織であっても、国内にあってはプロフェッショナルとして認知されていないために、政府の資金が出ている場合などには、渡航制限などにより、JICA並みの活動もできないでいます。危険があるところには行かせられない、という判断の中で、NGOについては能力向上(キャパシティビルディング)の機会が失われています。

本来、様々な領域で補完しあうべき政府、国際機関、NGOの戦略的なパートナーシップが確立されていない状況にあるということです。もちろん、NGO・NPOも正直玉石混交であることは否定できません。だからこそ、その能力により区別をすることは当然必要です。その評価は過保護であっても買被りすぎてもいけません。

こうした多くの論点を議論しつつ、NGO・NPOの戦略的あり方を検討するとの目的で、従来国際NGOについていろいろと議論してきた柴山昌彦衆議院議員、玉木雄一郎衆議院議員、伊佐進一衆議院議員、NPOのあり方、コレクティブインパクト等に関していろいろと議論してきた吉川ゆうみ参議院議員とともに昨日の立ち上げに至った次第です。

会長には国際関係に精通した逢沢一郎衆議院議員にご就任いただき、他にも多くのこの分野に精通した有力議員に協力いただいて会の設立をしました。創ったからには、結果を出さねばなりません。今後、様々な場面で積極的に政府に働きかけを行っていきたいと思います。


編集部より:この記事は、自由民主党青年局長、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2018年4月25日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。