松山市郊外のエルパティオ保育園(園長:川崎暁子氏)。
愛媛県で、おそらく全国でも初めて、常時、自然栽培米給食を提供する保育園だ。
今回、見学させてもらうとともに、御厚意で、保育園児と一緒に噂の自然栽培米給食をいただいた。
「まっててねぇ」
という歌を歌いながら、スタッフが食事を配膳する。
「いただきます」
という声とともに、子どもたちは箸をとる。
他の保育園では、食事中にそわそわする子も少なくないそうだが、エルパティオ保育園ではみんなが食事に集中する。
「おかわり!」
食材の良さを生かすため丁寧に出汁をとった自然栽培米給食を、子どもたちは本能的に求めている。次から次に「おかわり!」の声が響き渡る。
エルパティオ保育園では、食べ残しゼロが3か月以上続いているという。
入園したときは食事が苦手で痩せていた子どもも、2週間もすると、子ども特有のふっくらした体つきとなり、自然栽培米給食を待ち望むようになる。保護者も、保育士もびっくりだ。
自然栽培米給食は、通常の給食と比べて費用も若干掛かるが、保育園の費用のほとんどは人件費で、経営努力の中で十分に対応できるという。
松山で長年、自然栽培の食事に取り組んでいる株式会社ハーモニープロジェクト代表取締役の森嘉代さんが丁寧に監修をすることで、常時の自然栽培米給食の提供が可能になった。調理師の腕とモチベーションもあがり、人材確保も容易になったという。
企業主導型保育事業だからこそできること。
それは、女性の活躍推進をサポートする第一目的を果たしながら、園独自のコンセプトを打ち出して行けるところである。
自然栽培米給食をとりいれたり、五感をはぐくむ「花育」「造形・色育」を取り入れたりできるのも、この制度ならではといえるかもしれない。
保育士が我が子を連れて出勤し、そのまま園に預けて働くことも可能にした。そうすることで、幼い子どもがいる保育士の職場復帰の場を広げることができたという。
よく動き、よく食べる。
子どもたちの成長は早い。そして落ち着いている。
英語やプログラミング教育を一概に否定するものではないが、幼少期は根っこをはぐくむ、五感をみがくことが大切と園長は考える。その根幹が食というわけだ。
(保育士と園児でつくった季節ごとの飾り付け。
五感をみがくとともに、施設に良い気があふれたという。)
これからどのように成長していくのか、とても楽しみだ。
エルパティオ保育園
ホームページは、こちら。
株式会社ハーモニープロジェクト
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。