「独立宣言」ふたたび

長島 昭久

長島氏Facebookより:編集部

新たな決意で、未来に誇れる日本へ!

4月27日、希望の党の所属議員の多くが再び民進党と合流し、新党「国民民主党」(略称「国民党」)を結成することとなり、その結果、希望の党は結党からわずか半年余で解党することとなりました。私は、昨年来、党執行部の一員として、分党にも解党にも反対してきた経緯もあり、この合流新党の動きとはあくまで一線を画し、再び「独立」(いわゆる無所属)議員として再出発することと致しました。

「未来先取りの日本大改革」の灯は消すまい!

振り返れば、昨年4月9日に「独立宣言」を行って以来、「中庸を旨とする真の保守政治」を基軸にした野党再編をめざして試行錯誤を繰り返してまいりました。ようやく小池都知事と共に「寛容な改革保守」の旗を掲げて希望の党の結党にまでこぎつけましたが、結果は大惨敗。それでも、衆議院に51議席を確保し、これを橋頭堡に「未来先取りの日本大改革」を推進していこうと意気込んで今年の通常国会に臨みました。しかし、ますます先鋭化する政治の二極化現象を前に、民意のど真ん中に旗を立てることの難しさを痛感させられる日々となりました。

国民の信頼を失墜させた安倍政権とは、 場外乱闘ではなく国会審議を通じて堂々と戦おう!

じっさい、立憲民主党が主導する「徹底抗戦ありき」の対決姿勢は、安倍政権のスキャンダルが噴出するたびに先鋭化していきました。時あたかも朝鮮半島をめぐり国際情勢が激変する中で、日本外交のかじ取りをめぐって今こそ安倍外交に対する厳しい検証とそれに対抗しうる「新たな外交構想」を野党が示すべき大事な局面に差し掛かっていたにもかかわらず。疑惑追及と並行して丁々発止の国会論戦を通じて、外交や安全保障の面でも与野党の違いを明らかにする絶好のチャンスだったはずです。しかし、希望・民進両党は内向きの合流協議に明け暮れ、ついに国会論戦の表舞台で存在感を発揮することができませんでした。この間、党執行部の中で一貫して解党・合流協議に反対し、早期審議復帰を主張してきた私としては、悔しい限りです。

政調会長として唯一の成果となった「働き方改革」の対案

それでも、今国会最大の争点となる「働き方改革」をめぐっては、政府案を全否定せずに希望の党らしい働く者の視点を中心とした「包括的な対案」を取りまとめ、問題意識を共有する民進党と共に国会へ共同提出することができました。結局、これが希望の党の政調会長として唯一の成果に終わったことは残念でなりません。ただ、政府案に欠落していた「パワハラ防止」、「ワークルール教育の推進」、「裁量労働制の厳格化」など、真の働き方改革につながる新たな観点を法案に盛り込み、国会審議を通じて有意義な与野党論戦が大いに期待できました。

政府が壊した議会制民主主義の土台は、 徹底審議を通じて立て直そう!

ところが、GW休暇を含め約1か月にわたる野党の審議拒否によって、その熟議の機会がみるみる縮小して行きました。もちろん、次から次へと露呈する公文書改ざん、虚偽答弁、隠蔽工作などは、まさしく議会制民主主義の土台を揺るがすもので、到底受け入れられるものではありません。真相究明を阻害する要因を取り除く第一義的責任は、政府与党にあります。しかし、だからといって、国会審議とは別建てで、国会議員が連日非公式に官僚を呼びつけ、「検察官」のようにテレビカメラの前で吊し上げる様は、もはや言論の府・熟議の国会とは無縁の姿と言わざるを得ません。したがって、私は、このままGW休暇に突入し一か月近くも国会を空転させるわけにはいかないと考え、27日の衆議院本会議には独自の判断で出席いたしました。欠席戦術を主導する急進的な野党幹部からは「裏切り」批判を浴びましたが、多くの皆さんから温かい激励のお声をいただきました。

これから私が目指す政治の姿とは何か?

私がめざす政治の第一は、与野党の違いによって敵対し合い批判合戦を繰り広げるのではなく、あくまでも国益を基本に据えて、将来世代と生活者を最優先にした政策を実現することです。第二は、我が国の直面する危機の実相を的確に捉え、「未来先取り」で今必要な改革に正面から取り組んでいくことです。これが、「未来に誇れる日本」づくりに他なりません。第三に、日本が直面する危機を克服するためには、国民一人ひとりの能力を最大限発揮できる環境をつくり出すこと。それが、私のめざす政治の要諦です。なぜなら、私は、我が国が直面する「少子高齢・人口減少・財政悪化」というとてつもない課題を克服する力、すなわち、このピンチをチャンスに変える潜在力を私たち日本人が持っていると確信しています。

「人への投資」を最大化して、 何度でも「学び直し、働き直せる社会」へ

そのためにも、「人への投資」を最大化していくことが肝要です。教育と技術革新こそ課題解決のカギを握っています。人口減少とAI・ロボット技術の進化によって否が応にも雇用の流動化は避けられず、単に今の雇用を守ろうとするだけでは、問題解決にはつながりません。真の働き方改革は、いつでも、どこでも、誰でも、何度でも「学び直し、働き直せる社会」の実現に懸っています。その上で、我が国が直面する深刻な社会課題を克服するためには、「人口増加・右肩上がりの経済成長」の下でつくられた年金や医療制度など現行制度全体を根本から見直す必要があります。それには、与党だ野党だなどという違いを超えて「オール・ジャパン」の政府を樹立できるかどうか。その目標に向けて、同志と共に邁進してまいりたいと思います。


編集部より;この記事は、元防衛副大臣、衆議院議員の長島昭久氏(東京21区、無所属)のオフィシャルブログ 2018年5月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は長島昭久 WeBLOG『翔ぶが如く』をご覧ください。