なぜ、どのようにして、サンフランシスコ・ベイエリアで起業家が次から次に生まれるのか。長らく関心を持ってきました。
今回は、サンフランシスコ総領事館に務める同期の紹介で、スタートアップのエンジニア・ファウンダーの養成プログラムであるMake Schoolを訪問しました。
Make Schoolでは、デザイン ⇒ コード ⇒ ローンチ(立ち上げ)という大きな流れをメンター(講師)の指導のもと、1年でdo-do-do(実践)していきます。
特筆すべきは、その奨学金制度。
アメリカの高い学費と生活費は、Make Schoolから借りることもできますが、その返済は、定額の借金という形ではなく、将来の所得の一定割合を返済していきます。
所得が少なければ返済はほとんどなく、借金に追われることもありません。
一方、所得が多くなれば多くの額を返済します。学校と、学校のストックオプションを持つメンターは、多くの収益を得ることができます。
だから、みんな超真剣。
日本の大学教育では、その成果や目標が分かりにくいことも少なくありませんが、Make Schoolでは、メンターも、学校も、学生を育てるインセンティブが強く働きます。まさに、三方良し。
在学中から、サンフランシスコ・ベイエリアにあるさまざまの企業とのマッチングやインターンなどの場が、次から次に提供されます。
毎朝のミーティング。
学生・メンターが集まり、
1)昨日やったこと
2)今日やること
3)困っていること
を、みんなで共有します。
その後、カーンと一回、鐘がなり、それぞれの場所で一斉に研究・実践を始めます。
メンターなどとの定期的な連絡・相談はありますが、敢えて出欠はとりません。出席することが目的ではなく、優秀な起業家になる、企業の即戦力として採用されることが目的ですから、出席しなくても学生にとって最適な場所で(企業などで)学べばいいわけです。
収入に結びつきにくい分野では応用しにくいでしょうし、Make Schoolでは投資家による寄付がある(ので仮に短期的に収益が少なくても潰れない)という側面もあるのでしょうが、日本の大学でも、三方良しの奨学金制度について検討してみたらどうでしょうか。
詳しくは、こちら
Make School留学記
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年5月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。