統計学上、正規分布には「68%→95%→99.7%ルール」というものがある。これは以下のことを示している。
平均値プラス・マイナス標準偏差の間にすべてのデータの68%が収まる。
平均値プラス・マイナス標準偏差×2の間にすべてのデータの95%が収まる。
平均値プラス・マイナス標準偏差×3の間にすべてのデータの99.7%が収まる。
日本人の身長が正規分布しているとすると、男性の平均身長はおよそ171センチで標準偏差はおよそ5.6なので、171センチのプラスマイナス5.6の間に、日本人男性の68%が収まることになる。
つまり、日本人男性の68%は、身長165.4センチから176.6センチの間に入るということだ。
身長が171プラスマイナス5.6(標準偏差)×2は全体の95%になるので、それより低身長の層と高身長の層は、合計で5%以内、それぞれで2.5%以内ということになる。
だから、182.2センチ(171+5.6×2)以上の身長の男性は、日本人全体の2.5%以内に入る。
女性の平均身長はおよそ158センチで標準偏差はおよそ5.2。
68%ルールによると、日本人女性の68%は、158センチプラスマイナス5.2(標準偏差)の範囲内(152.8センチから163.2)に収まる。
身長170センチくらいの女優さんやモデルさんがいるが、彼女たちは高身長2.5%以内に入る。
158+5.2(標準偏差)×2=168.4となり、170センチはそれより高いからだ。
父親も母親も高身長だと、将来を心配する女の子が多いようだ。
高身長になり過ぎると自分より身長の高い男性が少なくなってしまい敬遠されるのでは、と不安になるようだ。
しかし、心配し過ぎることはない。
身長の遺伝においても「平均値への回帰」が働く。
高身長同士男女の子孫と低身長同士の男女の子孫に「平均値への回帰」が生じなければ、現代でも高身長族と低身長族に二分化しているはずだ。
ところが、現実には二分化せずに正規分布している。
不確実な将来を心配する必要はまったくない。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年5月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。