LGBT施策前進には「意見・議論の可視化」≒情報公開がブースター

音喜多 駿

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

5日夜は昨年発足したLGBT自治体議連のワークショップ&懇親会、そして6日は毎年恒例のレインボープライドパレードに参加いたしました。

何度かブログでも触れている通り、私はかつてブログでの差別発言がいわゆる「炎上」したことがあり、そのことがきっかけでこの問題に強く取り組むようになっています。

【参考過去記事】
●元LGBT失言炎上議員だけど、東京レインボープライド2016の応援に行ってきた

そうした活動が徐々に認識され、一昨年は台湾で行なわれるLGBT関連のイベントにも日本の地方議員代表(?)の一人としてお招きいただきました。

●ネット上の「大炎上」がきっかけ?!台湾の若者政党「時代力量」にお招きいただき、明日から台湾に行ってきます
●台湾にはLGBT当事者議員は一人もいないのに、当事者議員がいる日本より対応が進むのはなぜ??

日本でも昨年、LGBT当事者議員たちが発起人となって「LGBT自治体議連」が発足し、この政策分野はこれまでにない高まりを見せています。

一方で、特に都心部以外の地方では、まだまだLGBT等のセクシャル・マイノリティに対する理解・政策が進んでいないのが実情でもあります。

5日のワークショップでは、まさに全国津々浦々から集まった地方議員たちが

・自分の所属する自治体で、LGBT政策が進まない理由はなにか
・それを解決するためには、どんなアプローチが有効か

というオーソドックスなテーマでディスカッションを行いました。

「LGBTに対する理解が(行政にも議員にも)ない」
「そもそもの知識がない」

などの意見が多く出されまして、私はそれに加えて「議論が可視化されていない」ことがそれに拍車をかけているように思いました。

どういうことかと申しますと、最近では議会に対してLGBTに関する陳情・請願が毎定例会のように提出されます。

ところが、この賛否に対する議論は「公の場では」ほとんど行なわれないんですね。

賛成する会派が賛成意見を採決前に述べることはあっても、反対会派が反対意見を行うことは稀です。

殆どの場合が無言で反対、いわば「黙殺」状態です。

ですが、議会・委員会の裏側である「平場」や非公開の理事会では、議員たちの本音が垣間見えることがあります。

「私は差別するつもりはないが~」

と言いながら述べるその意見が、それってまんま今の時代だと差別では?と思うようなこともあるわけです。

しかし、そういう意見・議論は公開されないため、発言している議員自身も自分の意見が世間からどう見られるか、正直「わからない」状態になってしまっているのではないでしょうか。

今は都民から見えない場で行なわれている非公開の会議が公開され、賛成・反対の理由を必ず述べなければならない議論の場ができたとしたら、適度に「外圧」が働いて、LGBTなどに対する施策は劇的に進むのではないかと思います。

先の都議選では、私は当時の所属会派とともに「秘密会だった理事会など議会の会議内容を全て公開」という公約を掲げました。

すでに5月も半ばに差し掛かろうというのに、まだ今年は一度も議会改革検討委員会が開催されていないことが強く懸念されるところですが、こうした分野にも寄与する

「議論の可視化」

を引き続き、都議会の中から訴えていきたいと思います。

そして6日のパレードは、晴天にも恵まれ大盛況。

例年、政治家・議員の参加者も増え続けており、今年はLGBT自治体議連が誕生したこともあって、国会議員と合わせて50人を超える議員がパレードを歩いたのではないでしょうか。

3年前は、まだ政治家の姿が珍しかったので、私程度でも公式フォトセッションに混じれたりしたのですが…そこから考えても隔世の感があります^^;

今年は妻(三次ゆりか江東区議)と次女とともに参加!(長女はお友達とタケノコ掘りに…)

次女も終始飽きず、手を振りながら一生懸命歩きました。

LGBT自治体議連も、まだまだ特定党派の参加が少ないなどの課題はあるかと思いますが、当事者ではなくとも「アライ(支援)議員」の一人として、引き続き活動をもり立てていきたいと思います。

レインボープライドを運営された皆さま、今年も本当にありがとうございました!参加した皆さま、お疲れ様でした。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年5月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。