疑惑が深まった、などとは言わない。
しかし、加計幸太郎氏の話をどうしても聞きたくなったのは事実だ。
柳瀬氏としては、これで精一杯誠実に答えたことにはなるのだろう。
初めからもっと素直に話しておけばいいのに、と思うが、これまでは聞かれたことだけ答える、国会の場で参考人として呼ばれ、そこで聞かれた範囲だけで答える、という見事な官僚答弁に徹したものだから、加計学園との面会などの事実はどこの場でも一切答えていなかったのだが、今日の参考人質疑で官邸で少なくとも3回は加計学園の関係者と面談していたこと、安倍総理の別荘で加計幸太郎氏と会っており、加計幸太郎氏が安倍総理の親しい友人であるということは十分認識していたことが明らかになった。
まあ、予想されたとおりの結果なので、柳瀬氏の参考人質問によって何らかの疑惑が深まった、ということにはならないのだが、国会をここまで紛糾させてきた原因の一つが加計学園側や官邸の説明不足にあることがほぼ明らかになったのだから、加計幸太郎氏や加計学園の関係者が何故これまで積極的に一連の経過や背景事情の説明を頑なに拒んできたのか、ということについての説明責任があると思う。
愛媛県や今治市についても、然りである。
まあ、日本の安全保障に関わるような大問題でないから、さらりと事実解明を終えてもらいたいところだが、ここまで問題を大きくしてしまった一因は官邸にもありそうだから、責任者にはそれなりに責任を取ってもらいたいところではある。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年5月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。