三人のアメリカ人の解放に対して、安倍総理大臣はトランプ大統領に電話で祝意を伝えたことを明らかにしました。
このこと自体は人道的な動きですが、北朝鮮の行動にはかならず「企み」があることは、これまでの「実績」が物語っています。
彼らの「企み」に、①日米世論の離間工作、②日本における「安倍政権は蚊帳の外だ」論の扇動工作、があることが考えられます。「米国の人質は返ってきたのに日本人拉致被害者はどうしたのか」とか、「圧力ばかりかけつづける安倍政権は孤立するばかりだ」とか、そんなナイーブな論調を日本国内で煽り立てる狙いがあるのでしょう。
「金正恩氏は、米国を牽制するために中国を何度も訪問し、中国を牽制するためにロシアへ外相を派遣し、日本を牽制するために敢えて無視している」。先だってワシントンD.C.出張の際、こう私に語ってくれたのは、DNI(国家情報局)とCIA(中央情報局)で東アジア地域を担当した経験を持つ有識者です。
「日本だけがいまの“融和的な”ムードの中で“蚊帳の外”にいるんだ」と唱える人たちは、結果として、北朝鮮の策略にまんまと乗せられている、金正恩氏の手のひらで踊らされている、かの有識者の警告を重く受け止めました。
私たちは、敵対する他国に乗ぜられないよう、日本の国益を冷静に考えなければなりません。
編集部より:この記事は、自民党総裁外交特別補佐、衆議院議員・河井克行氏(広島3区、自由民主党)氏のブログ「あらいぐまのつぶやき」2018年5月10日の記事を転載させていただきました。河井氏公式サイト。