自衛官採用数、4年連続計画割れ 少子化も背景(佐賀新聞:共同通信)
自衛隊の主力隊員になる「自衛官候補生」の入隊が4年連続で採用計画人数を下回ったことが13日、分かった。2017年度の採用では計画8624人に対し、試験を経て入隊の意思を示したのは6852人(18年3月31日現在)だった。少子化などが背景。
以前からぼくは任期制自衛官の実数が少ないことを問題にしてきました。何故かマスメディアは無関心でしたが。2士、1士の充足率は約4割、士長入れると7割です。
防衛省幹部は「任務はきついかもしれないが、国防を担う人員確保は喫緊の課題だ」と不安感を強めている。
まあ、何を今更です。財務省に固定費の人件費を減らせと言われて、減らしたのが一番人件費の安い任期制自衛官でした。将官以下曹までの退職金や年金含む人件費が大きい「職業軍人」は逆に増えています。
「職業軍人」の人減らしは極めて大変な作業になるし、恨みも買います。だからそこから逃げていただけ、頭数は減っても人件費はあまり減っていません。つまり防衛省も自衛隊も無責任だった、ということです。
現在の危機的な状況も防衛省、自衛隊が自ら招いたといっていいでしょう。
例えば2士、1士の充足率が8割だったならば2割減っても6割ですが、4割から2割減ったら残りは2割です。
闘わずして自衛隊は壊滅状態です。
もっとも現状の4割でも大概ですが、財務省が指摘しても危機感を持たずまともな対策を打ってこなかった防衛省、自衛隊の責任です。
無論少子化が一因でしょうが、そんなものは30年も前から分かっていた話です。しかも財務省から散々言われてきた話です。それを無視してきた責任を取るべきですが、誰もとらないでしょうね。そして問題先送り。
更に自衛隊が不人気なのは昨今の不祥事などで、若者や親御さんの信頼を失っているからではないでしょうか。
まずやるべきことは、情報の公開です。とにかく情報を隠すという体質が問題です。これに対する対処が迂遠なようなようで。
この本でも任期制自衛官の問題を取り上げております。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年5月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。