参議院経済産業委員会に参考人招致されました

子育てをしていると、なかなかスリリングなことがあるもので。昨日は保育園に預けたあと、締め切りと戦い。娘を病院に連れて行くためにピックアップし。都心まで行って妻に渡し。食事をする時間がないので、東京駅からグリーン車移動。車内で弁当を食べ、ぎりぎり3限に間に合い、講義。その後も、アポがいっぱい。ふう。

決戦は火曜日。

参議院経済産業委員会に参考人招致された。10時からスタート。「生産性向上特別措置法案」「産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」に関連して参考人として意見陳述する。

ネット中継されるし、議事録も残るのでぜひご覧頂きたい。これから話すことなので、資料なども後日開示なのだが、いつも考えている私の問題意識を共有しよう。

「働き方改革」の不都合な真実
おおたとしまさ
イースト・プレス
2017-11-17



この本で、共著者のおおたとしまささんと語り合ったことだが・・・。そして、前から言っていることだが。

「生産性向上」という言葉が「労働者の努力」にすり替えられていることが以前から気になっている。政・官・財もメディアも「労働生産性」という指標を誤用し、ミスリードしていないか?

労働生産性とは、付加価値を労働投入量で割ったものである。必ずしも「効率」を表現する指標ではない。ましてや労働者の勤勉さを表現するものではない。産業構造、労働力人口などが関係する。設備投資の充実度も影響する。付加価値の高い産業を創ることができるかどうかが鍵となる。サービス業の割合が大きい国は不利である。

利益率の高いビジネスがある国は有利だ。人口が少ない国も。労働生産性のランキングでも上位に入っている国は都市国家が散見される。儲かるビジネスがあり、少ない人数でまわしているのだから、有利なわけで。

もちろん、労働者の努力は否定しない。ただ、より収益性が高いビジネスを創ること(あるいはビジネスを改革すること)、さらには設備投資(たとえばIT)をすることが大事であって。

労働者については「努力」を期待するよりも「育成」が大切だ。人材育成のためにどれだけリソースを投入するのか。

これがいつも考えていること(プレゼン内容じゃないからな、内容はその場で言うからな、内緒だからな)。諸々の改革が搾取につながらないように、知識人として意見を伝えるつもりだ。お楽しみに。



最新作、よろしくね。

あと、今日は夜に下北沢B&Bでイベントがあるよ。ぜひ。

常見陽平×海老一宏「”地方で働く”を徹底検証する」『社畜上等!』刊行記念 | 本屋 B&B 


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年5月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。