プレゼンテーションとは、来場者とのコミュニケーション

人前で話をするときは、冒頭にいくつか質問して挙手してもらっています。どんな方が来ているかを知ることで、話す内容を修正するのが目的です。

特に、初めての場所でどんなメンバーが集まるか予想できない場合は、レベルや関心に応じて何を話すかを柔軟に使い分けていくことが満足度を高めると思っています。

昨日の講演(写真)は、来場者が当初想定していた人たちと随分異なることがわかり、大幅な調整をかけながら、一時間の講演の時間配分を変えていきました。

当初の予定では金融資産から、国内不動産、海外不動産、更に仮想通貨と、短い時間で情報を濃い目に盛り込んで、盛り沢山で網羅的な内容にしようと考えていました。

ところが、話を始めてみると、ほとんどの参加者は私のセミナーに参加するのが初めて。また、不動産投資の経験者も少ないことがわかりました。そこで、手を広げるのをやめて、金融商品と国内不動産にフォーカスし、海外不動産と仮想通貨最小限のボリュームに減らすようにしました。

その結果、国内不動産の説明に多くの時間を割くことができ、不動産投資未経験者の方々にも興味と理解を深めてもらうことができたと思います。

もし、当初の想定通り、1時間の講演にあれこれ詰め込んで話していたら、短時間に供給される情報が多すぎて、あまり満足してもらえなかったかもしれません。

何を話すかの調整は、講演の最初だけではなく、話をしながらもずっと続けます。来場している人たちの表情を観察し、眠そうな人が増えてきたり、リアクションが鈍くなってくれば、内容を変えて反応を見ます。また、こちらから質問をして回答してもらったり、隣の人どうして話し合うワークの時間を作ることで、飽きないように工夫します。

プレゼンテーションとは、練習した通り間違いなくやることが、大切なのではありません。相手に自分が伝えたいメッセージをどれだけしっかりと伝えられるかが勝負です。

今日は何のためにここまで来てくれたのか。相手の立場に立って、それがコミュニケーションを通じて想像できるようになれば、プレゼンテーションは半分以上成功したと思って間違いありません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。