それぞれにとってのオウム真理教

宇佐美 典也

ども宇佐美です。
最近告知でしかブログを更新しない傾向がありますが、今回もその例に漏れず告知です。

ということで本題に入りますが、おときた先生と共催しているオンラインサロンで、5/31の19:00からDMM六本木本社にて、松本麗華さんを招いて「それぞれにとってのオウム真理教」と題したトークイベントを開催します。↓

宇佐美典也と音喜多駿の「ゆるい政治」リアル勉強会#3 テーマ「それぞれにとってのオウム真理教」

振り返ると小〜中学校の頃の私にとって、オウム真理教はわりと日常の一角を成していまして、例えばオウム真理教が運営していたパソコンショップ「マーハポーシャ」なんかは登下校ルートの途中にあり近所で「あの店は安い」と有名でしたし、選挙の時は変なダンスを踊るオウム信者を見て「なんか面白いことやってるな」などと同級生と笑いながら見ていました。麻原彰晃氏が出演した生ダラなんかも見た記憶があります。他方で滅多に政治について話すことがない両親から選挙後に「冗談でもああう言うところに投票するようなことはするな」と諭されたことは何だかとても記憶に残っています。

中学生時分の私は登下校にしばしば日比谷線を利用していたので、地下鉄サリン事件が起きた時は「俺も巻き込まれてたかもしれない」と震撼したのですが、それが「オウム真理教の仕業らしい」という噂が流れた時、自分の中の「なんか変なことやってる人たち」という程度の認識とギャップがありすぎてはじめは「嘘でしょwww」といった印象でどうにも信じられませんでした。それがすぐにテレビで上九一色村で麻原氏が逮捕された映像が流れてきて、驚くとともに背筋が寒くなり、近所のマーハポーシャの前に自転車でいって「本当にあの人たちがやっていたんだ」と唖然とした記憶があります 。私の中でオウム真理教が「変なことやってる面白い日立」から「恐怖のテロ集団」と180度変わった瞬間でした。

その後まもなくテレビや雑誌で「麻原彰晃氏のあとは、三女アーチャリーが継ぐらしい。まだオウム 心理教は油断できない。」というような報道がされるようになり、「このアーチャリーとは一体何者なんだろう」と自分の中でおどろおどろしいイメージが醸成され、年末などのイベントシーズンに「オウム が何かテロを仕掛けるらしい」という噂が流れるたびに未だ見ぬアーチャリーの影にビクビクしていたことを思い出します。最近間接的ながら松本麗華さんとやり取りをするようになって「この人が俺が中学校時代に悪の化身のように怯えていた存在か。人間じゃん。」などと、不思議に思うことがあります。

話は逸れましたが、そのうち地下鉄サリン事件関連の報道が落ち着くにつれ私の中では、「オウム真理教の信者は恐ろしい人たち」「麻原彰晃は戦後最大の凶悪犯」という固定観念が出来上がって、頭の中でフリーズされたのですが、少し認識が変わったのが20台後半でした。当時まだ経産省職員だった私ですが、北九州監禁殺人事件はじめ凶悪事件を調べることにハマった時期がありまして、その流れでオウム真理教が関わった凶悪事件や信者のその後などについても多少調べてみたことがきっかけでした。

この時改めてオウム真理教が起こした一連の事件の異常性・組織性に驚き恐怖したのですが、その一方で「こんなこと全て独りで企画・指示できるのだろうか?」という単純な疑問も湧きました。そういう意味では私は麻原彰晃氏に関しては「本人が何も語らなくなって、麻原彰晃という存在は、他の信者の裁判戦略の結果として実態以上に恐ろしい存在に仕立て上げられることになったのだろうな」というように感じています。

他方で一般信者はどうやら本当に何も知らなかったらしい、ということを知るにつけ、知らなかったからこそあれほど大規模で組織的な犯行が実行できたのであろうと納得しましたし、自分もまた「組織のレッテルを貼り付けてイメージを固定化させていたのだな〜。そういう意味では世間の官僚に対する目も同じようなものだな〜。」と当時激しかった官僚バッシングと重ねて複雑な思いにかられました。

私は今は大人ですから「日本は法治国家なので個人の罪は、報道の印象ではなく、あくまで法律に基づく量刑で測られるべき」などと考えられるようになったわけですが、過去の自分などを振りかえるにつけ、なんの罪も、少なくとも”刑法上の罪”は、犯していなかったオウム真理教の元信者の方はその過去を抱えて厳しい他者の視点に囲まれてどのように生きてきたのか、また生きていくのかな、などと思いを馳せることがあります。案外外部にいた私のように、内部の末端信者もオウム真理教という組織の捉え方は事件前後で180度変わっていたのかもしれない、などとも想像するところです。

とまぁまだまだ書きたいこと、言いたいことはいろいろあるのですが、私自身もテレビで見たりtwitterなどではやり取りしたりしたことがあるものの、生身の松本麗華さんとあって話をするのは初めてなので5/31は結構楽しみにしております。

当日は基本的には「イメージではなく人間としての松本麗華を知りたい」という私のニーズに基づいて、これまでの松本さんの人生を私とおときた先生が茶々を入れながら伺わせていただいた上で、一応は関連事件の裁判が全て終結したオウム心理教というものを今後それぞれがどう捉えていくか、という話ができればと思っています。例によって軽食とドリンクも提供しますので、みなさまお気軽にお越しください。

宇佐美典也と音喜多駿の「ゆるい政治」リアル勉強会#3 テーマ「それぞれにとってのオウム真理教」

ではでは今回はこの辺で


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2018年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。