加計学園に説明してほしいこと

加計学園公式サイトより:編集部

そのウソ、ホント?

コメントのしようがないのだが、この問題に一通りの決着を付けないとどうにも前に進めないので、加計学園の皆さんには特に頑張っていただきたい。

加計学園は、つい先日の5月26日にマスコミ宛てに送付したファックスで、「愛媛県や今治市に対して嘘をついていました。2015年2月5日に加計学園の加計幸太郎理事長と安倍総理が15分程度面会した事実はなく、総理から「新しい獣医大学はいいね」と言われた事実もありません。」なるコメントを発しているが、私にはどうしても腑に落ちない。

30日朝の東京新聞の「『面会虚偽』なら整合性欠く− 加計学園主張と愛媛県文書検証」なる記事や今日のブロゴスに掲載されている元検事の郷原信郎氏の「加計学園『自治体騙し』自認文書で、『安倍政権側ストーリー』崩壊の危険」などを読むと、辻褄の合わないことだらけで、私でも。そのウソ、ホント?と言いたくなる。

まずは、①どなたがこのファックスを作成されたのか、②このファックスを作成するにあたってどなたから事情聴取されたのか、 ③愛媛県や今治市に虚偽の事実を述べたのは加計学園のどなたなのか、④その席に同席していたのはどなたなのか、⑤当時の記録を確認されたかどうか、⑥なぜ虚偽の事実を愛媛県や今治市に対して述べなければならなかったのか、等の事実についてご説明いただきたい。

加計学園のコメントでは、虚偽の事実を述べた相手は愛媛県と今治市だということにされているが、実際にはその場には首相秘書官はじめ関係省庁の職員も同席していたようだから、内閣官房や関係省庁にも虚偽の申し立てをしていたことになる。

まあ、普通はあり得ないことである。

加計学園のこのコメントを最後まで維持するのは、結構大変だぞ。

私は、内心そう思っている。

このファックスを作成した人や愛媛県や今治市に対して虚偽の事実を申し立てたとされている人がマスコミの前に出てくれば、氷解してしまうようなかも知れない。

しかし、加計学園は、マスコミから最後まで逃げ回ろうとするんじゃないかな、と予測しているところである。

結局、私も野党の皆さんと同じように、疑惑は深まった、と言わざるを得なくなるような気がしている。

困ったことである。
本当のことが知りたいだけなのに…。

改竄等に関わった人が刑事責任を問われず、安倍さんも麻生さんも居座ったままだったら何が起きるか

その時になって見ないと分からないのだが、分からないからこそ見てみたいという気持ちがどこかにある。

普通の場合は誰かが人身御供になって、一身に責めを負うことになるのだが、マスコミの報道ぶりを見ていると決裁済み文書の改竄や隠蔽、さらに廃棄に関わった人たちは誰一人として刑事責任を問われることなく、無罪放免になってしまう可能性が高そうだ、ということだ。

安倍総理や麻生財務大臣の応答ぶりを見ていると、安倍総理も麻生財務大臣もこのまま居座り続けるようである。

まあ、野党に政権を追い詰めるほどの力も勢いもないことは、皆さん、よくご承知だから、自民党の中で安倍総理や麻生財務大臣の責任を問う声が大きくならない限り、多分、そうなってしまう。

そうなってしまった時に、日本の大方の人々はどう反応するだろうか。

無反応のままか、それともあちらこちらでブーイングの嵐が起きるか。

経済が順調であれば大した波乱も起きないまま、このまま何となく過ぎてしまうのかしら、とも思えるし、いや、来年の参議院選挙で自民党はツケを払うことになるぞ、という気もする。

どうなるか分からない。

分からないから、見てみたい、という気になってしまう。
悪しからず。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。