今回の決裁文書改ざん問題は、平成の政治史に残る大事件と言える。
しかも、それが財務省で起こったことの意味は小さくない。
良くも悪くも、日本の将来のためには正論を吐き、時に政治家に対しても物申す、これが大蔵省、財務省の特徴だった。
高い地位にある者が負うべき道義的、倫理的責任を果たそうとする「ノブレス・オブリージュ」の精神が、彼の役所には残っていた。
しかし、今回の事件では、政治家の間違った姿勢に忖度し、組織防衛に走り、行政全体の信頼を根底から毀損してしまった。その責任は万死に値する。
そして、役人に責任を全て押し付け、一切責任を取らずに居座り続けようとする政治家の姿は醜い。
問われているには、まさに政治的、道義的、倫理的な責任だ。
財務省の劣化は、政治の劣化にあわせて進行したのだろう。
そして、それは与党だけに帰すべきものではない。
政権交代の緊張と期待をつくり出せないでいる野党の責任も大きい。
今回の事件は、与野党双方に深い反省を迫っている。
編集部より:この記事は、国民民主党共同代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2018年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。