「希少性」がビジネスの成功を決める

西麻布の奥にある居酒屋に行く機会がありました。どこの駅からも遠い不便な場所にありますが、大雨にも関わらず夕方からお客様が続々詰めかけ、満席の盛況です。

一軒家をお店にして、ユニークな内装になっていますが、それだけでは遠方までお客様は来てくれません。宣伝はあまりしていないようで、ほとんどのお客様は口コミで来ています。カウンターに座ってドリンクを注文すると、写真のような実物のネタを席まで持ってきて見せてくれます。フェイクかと思ったら、本物でした。

この飲食店グループは都心に続々出店する計画があるそうですが、立地はこのお店と同じように駅から遠く不便な場所を狙っているそうです。家賃が安いので、広いスペースで客単価も下げることができる。こんなお店はありそうでなかなかない。だから、お客様が遠くてもわざわざやってくるのです。

西麻布の交差点近くには人気店が密集しています。そこで高い家賃を払って、競争で疲弊するよりは、このお店のように、少し離れた場所で差別化を狙うブルーオーシャン戦略を取るべきなのです。飲食店に限らず、ビジネスというのは他の人がやらないことを考えないと競争に巻き込まれてレッドオーシャンに陥ってしまいます。

そのために常に考えるべきは「希少性」です。

資産運用の仕事をしている人は世の中にたくさんいますが、資産デザイン研究所や資産デザイン・ソリューションズのような、金融資産と実物資産をインテグレーションしたサービスを提供できる会社は、私の知る限り他にはありません。

他には無いという希少性があると、顧客はわざわざ向こうからやってきてくれます。他の競合と価格競争をする必要もありません。お客様に無理な営業をしなくても、安定した売り上げと利益を確保することができるのです。

これは、経営者だけではなく、会社で働いているビジネスパーソンも同じです。他の社員との差別化を意識して「希少性」を高めることが、大切になります。人と同じことをしていては、競争にエネルギーを消耗してしまいます。

「脱・横並び」といつも言っていますが、意識的に人と違うことをすることを心がければ、ビジネスの風景は少しずつ変わっていくはずです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。