米朝会談の行方を大胆予測「トランプ大統領はノーベル平和賞を狙っている」

ホワイトハウスFacebookより:編集部

いよいよ史上初の米朝首脳会談開催の日がやってきました。大量破壊兵器(核、生物、化学)と弾道ミサイル(短・中距離、大陸間)の「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄)」をめぐるトランプ大統領と金正恩委員長の会談の行方を、これまで私がワシントンD.C.で専門家たちと行ってきたやり取りを踏まえ、三通りの未来を予測してみました。

①“合意”が成立する場合…CVIDについて“対話(dialogue )”から具体的な“交渉(negotiation )”へと段階が進むことに。「南北」だけでなく、本体の「米朝」の枠組みでも問題解決の進展が見られる。この場合の懸念は、大量破壊兵器の検証に不可欠な北朝鮮による「申告」が不誠実・不十分であったり、廃棄される弾道ミサイルが大陸間だけにとどまってノドンやスカッドなど短・中距離が温存されるなど、低い水準でCVIDが合意されること。

②“対話”が失敗する場合…米朝双方の主張の溝が埋まらず会談は決裂。“封じ込め”と最大限の“圧力”が唯一現実的な対処となり、危機はいっそう深まる。この場合、米軍による軍事行動の可能性も出てくる。

③①と②の間のはっきりしない状況…米朝交渉は実りあるものにならず、南北交渉のみが進展する。韓国は、開城工業団地の稼働再開や金剛山観光事業の再開、食料や医療など「人道」支援の再開に踏み切る。中国とロシアは制裁の抜け穴を用意する。この場合、北朝鮮はトランプ氏がいなくなるのを待つ長期戦に入るだろう。もちろん北朝鮮による核とミサイルの技術開発は休むことなく続けられる。

先月私が会ったワシントンD.C.のシンクタンク有識者たちは、「トランプ大統領は本気でノーベル平和賞を狙っている」と分析していました。賞を欲するトランプ氏の動機がなんでも構いません。ノーベル賞に値する交渉結果、すなわち短期間での北朝鮮核・ミサイルのCVID実現という合意が成立することを強く期待いたします。


編集部より:この記事は、自民党総裁外交特別補佐、衆議院議員・河井克行氏(広島3区、自由民主党)氏のブログ「あらいぐまのつぶやき」2018年6月12日の記事を転載させていただきました。河井氏公式サイト