総力をあげた児童虐待対策を求めて署名キャンペーン始めました!

結愛ちゃんが「ゆるして」と書きながら殺された事件で、結愛ちゃんと同い年の息子を持つ僕は、ただただ悲しくて、ニュースに耳を塞ぎました。

でも思ったんです。

逃げちゃダメだ、と。

僕ら大人が創り出した制度が、彼女を救い出せなかった。

だったら、僕ら大人が、ちゃんとそれを直さないと。

そう思ったんです。

そこで、みんなの声を集める署名キャンペーンを、たくさんのNPO・ビジネスセクターの方々、タレントや研究者の方々と始めました。

今、動かなきゃ。

きっと何ヶ月後に、もう一人の結愛ちゃんが現れるだけ。

僕に力を貸してください。

みんなの「もう虐待は嫌だ」という思いを見える化して、政治や行政に届けます。

ごめんね、結愛ちゃん、僕たちにはこんなことしかできない。

でも、こんなことでも、やらないより、絶対やった方が良い。

子どもの命を守る仕組みを、社会全体で、ちゃんと創りましょう。

お金もしっかりつけて。

親や児相の職員叩くだけじゃ、何も前に進まない。

少しでも、一歩でも前に。

あなたの署名を、心から待っています。

Just a moment...

ーーーーーここから署名文ーーーーーー

「もう、一人も虐待で死なせたくない。総力をあげた児童虐待対策を求めます!」

Just a moment...

先週、小さな命が失われた衝撃的なニュースが流れました。

船戸結愛ちゃんは、朝4時に起き、「おねがい ゆるして」と覚えたてのひらがなで訴え、そして殺されていきました。

しかしこの件も含めて、日本では虐待への支援体制が圧倒的に足りていません。

小児科学会の推計だと、日本で虐待で亡くなる子どもは毎年350人程度。

1日に約1人、子どもが殺されている計算です。

そうした状況なのに、政府が抜本的に虐待対策に力を入れた、という話は聞きません。

それどころか、児童相談所はいつでも「マンパワー不足」。

ITの仕組みも十分とは言い難く、児童相談所がケアしていても、転居などで居場所がわからなくなってしまった子どもはFAXで探している現状です。

結愛ちゃんを救えなかった。そして毎日約1人、子どもが虐待で死んでいくことを救えないのは、私たち大人と、大人たちが選んだ政治家と行政の責任です。

私たちは結愛ちゃんの死を無駄にしないため、再発を防ぐ制度を創ることを、政府や東京都に求めます。

そして我々の納めた税金を、きちんとした予算という形で子どもを守ることに使ってほしいと思っています。

専門家の方々の知見を踏まえた、以下の8つの総合的な対策を求めます。

【児童虐待八策】

(1)児童相談所の人員を大幅に増加させ、さらに常勤弁護士を設置してください。合わせて市町村の虐待防止体制の強化を

・児相のマンパワー不足を解消すべく、職員数を増やしつつ、一時保護や親権停止を機動的に行っていくために常勤弁護士を配置してください

・また、児相だけではなく、「オール地域」で子どもを守っていくために、児相に来る前でケースを発見・ソーシャルワークしていけるよう、自治体の虐待防止体制の強化を望みます

・保育園や幼稚園・学校は虐待を発見しやすいので、保育・教育現場と児相の連携を強化してください

(2)通告窓口一本化、児相の虐待情報を警察と全件共有をすること、警察に虐待専門部署(日本版CAT)を設置することを含め、適切な連携を検討する会議を創ってください

・そもそも児童虐待は子どもの自己肯定感を削り、命を奪いうる犯罪であり、躾ではありません。しかし3分の1の自治体が警察に情報を共有する基準が無いのは異常です

・すでに愛知・高知・茨城は全件共有を行なっています。また埼玉県も全件共有に踏み出しました。虐待は犯罪とは言え、当事者の親を殊更に罵るだけでは、問題は解決しません。それを生み出す構造があります。

・構造を変えるため、政府は通告窓口を一本化し、警察との虐待情報共有を有効に行うあり方を検討する場をすぐに創って下さいまた、警察内に虐待専門部署(日本版CAT)を設置することを検討してください。結愛ちゃんを救えなかった東京都は、国に先駆けて検討を開始してください。

(3)児相が積極的に司法を活用できるよう、児相の組織改革を!

・結愛ちゃんのケースでは、一時保護の後に児童福祉法28条を活用し、親子分離させていたら、結愛ちゃんは亡くならずに済みました

・親権停止も、ドイツが年間1万2000件を超える親権停止を行い、子どもを守っているのに対し、日本では約80件の親権停止しか行われていません

・児相が積極的に司法を活用できるようにすると共に、親との関係性がこじれることを恐れるあまり司法的手段に出られないことを防ぐため、親支援と介入・救出は部署を分けるような児相の組織改革が必要です

(4)リスクの高い場合すぐに一時保護できるよう、一時保護所・里親・特別養子縁組の拡大と支援を推進してください

・児相が一時保護を躊躇する理由に、一時保護所や里親等の不足が挙げられます
・一時保護所の拡大と里親の増加を促進してください
・量とともに質も重要です。一時保護所は子どもの人権を守れるような十分な施設、職員配置を。里親も研修や支援の機会を増強してください。また、リスクアセスメントが適切にできるよう、児相職員向け研修の充実も欠かせません

(5)児童相談所間でケースを共有できるITシステムを導入・推進してください

・児童相談所は、転居した居所不明児童をFAXで探している状況です

・これではいくら職員を増やしても、膨大な仕事量で忙殺されてしまいますし、また子どもの命を助ける仕事の時間が非効率的な働き方で失っていきます

・全児童相談所で子どもの情報を共有できるデータベースや、AIによって適切な優先順位で家庭訪問ができるシステムを導入してください

(6)東京都で11個の児相は少なすぎます。特別区・中核市の児相設置を急いでください

・東京都は1300万人都市にも関わらず、11個の児相で対応しています

・児相の児童福祉司は1人あたり120件のケースを担当し、これは欧米基準の5〜6倍です

・23区・市部ごとに児相を設置できるよう、東京都は積極的な支援を行なってください

(7)若年妊娠リスクや子育てについて早期から知る、包括的性教育を義務教育でしてください

・虐待の要因の一つに、若年妊娠や子育てについての知識の欠如があります

・こうしたことを義務教育で伝えていくことが重要ですが、いまだに学校では「性交」と言う言葉さえ使えません

・包括的な性教育を義務教育で実施してください。そして若年妊娠のサポート政策を充実してください。

(8)これら全てを迅速に実行できる十分な予算を確保してください

・虐待防止予算の対GDP比は、アメリカの130分の1、ドイツの10分の1です。

・我が国は、子どもの命を守ることに、あまりにもお金を使ってきませんでした。

・これまでの予算の水準ではなく、大幅に増額してください

集まった署名は、東京都、および政府に届け、これらの8つの要素を政策に盛り込み、いち早く対策を進めてくれるよう呼びかけます。

結愛ちゃんの死を無駄にしたくない。みなさんのその思いを、この署名に寄せてください。

一人一人の声を集めて、日本を虐待から小さな命を救える社会にしていきましょう!

ご賛同よろしくお願いいたします!

Just a moment...

【なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018 発起人】

■発起人
駒崎弘樹 認定NPO法人フローレンス 代表・内閣府子ども子育て会議 委員
奥山眞紀子 国立成育医療研究センター こころの診療部 統括部長
小澤 いぶき (Ibuki Ozawa) 児童精神科医
青野 慶久 (Yoshihisa Aono) サイボウズ 代表取締役社長
渡辺 由美子 (Yumiko Watanabe)由美子 NPO法人キッズドア 代表理事

■共同発起人
【文化・スポーツ】
犬山 紙子 (Kamiko Inuyama) イラストエッセイスト
岡崎裕子 陶芸家
乙武 洋匡 (Hirotada Ototake)  作家
小林住彦 東京2020 企画制作部長
小比類巻貴之 会社経営 代表取締役
坂本美雨 ミュージシャン
白石小百合 Whitte株式会社 代表
辰巳琢郎 俳優
丹羽多聞アンドリウ  プロデューサー
野呂洋子 銀座柳画廊 副社長
一青窈 Yo Hitoto  歌手
ファンタジスタさくらだ  ファッションデザイナー
福田萌  タレント
Bose スチャダラパー ラッパーなど
眞鍋かをり タレント
山口博之  ブックディレクター/編集者
山田 理絵  鎌倉市教育委員、ブリティッシュスクール東京 評議員
山田宗徧 茶道宗徧流不審庵 家元

【学識経験者・研究者】
朝倉祐介 政策研究大学院大学 客員研究員
阿部 紫穂子
石川 善樹 (Yoshiki Ishikawa)  予防医学研究者
各務茂夫 東京大学 教授
家戸敬太郎 近畿大学 教授
田北雅裕 九州大学 専任講師
津川友介 Yusuke Tsugawa カリフォルニア大学ロサンゼルス校 助教授
中室牧子 Nakamuro Shirota Makiko 慶應義塾大学 総合政策学部 准教授
本荘修二 多摩大学大学院 客員教授
水谷衣里 株式会社 風とつばさ 代表取締役
安田 洋祐 (Yosuke Yasuda)  大阪大学 准教授
山崎 直子

【政策・行政】
乗竹 亮治 特定非営利活動法人 日本医療政策機構 事務局長
牧浦土雅 Doga Makiura 秋田県・仙北市 アドバイザー

【ソーシャルセクター・NPO】
秋元 祥治 (Shoji Akimoto) NPO法人G-net 理事(創業者)
天野 タエ (Tae Amano)  みらい子育て全国ネットワーク 代表
井植美奈子 一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局 理事長
今井紀明 認定NPO法人D×P 理事長
今井悠介 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン 代表理事
今村 中澤 久美 (Kumi Nakazawa Imamura) 認定特定非営利活動法人カタリバ 代表理事
岩附 由香 (Yuka Iwatsuki)香 認定NPO法人ACE 代表
上木 誠吾 一般社団法人子ども・青少年育成支援協会 代表理事
上原大祐 NPO法人D-SHiPS32 代表理事
鵜尾 雅隆 (雅隆鵜尾) 日本ファンドレイジング協会 代表理事
大木洵人 シュアールグループ 代表
大西健丞 認定NPO法人ピースウインズ・ジャパン 代表理事
小田知宏 NPO法人発達わんぱく会 理事長
鬼丸 昌也 (Masaya Onimaru) 認定NPO法人テラ・ルネッサンス 創設者
甲斐田万智子 認定NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ) 代表理事
鴨崎貴泰 認定NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事兼事務局長
川口 加奈 (Kana Kawaguchi)奈 認定NPO法人Homedoor 理事長
工藤啓 認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長
國井 修 世界基金 投資効果戦略局長
久保一之 特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール 創立者・理事長
熊仁美 NPO法人ADDS 共同代表
小嶌不二夫 株式会社ピリカ 代表取締役
小沼大地 NPO法人クロスフィールズ 代表理事
小林 りん ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン 代表理事
嵯峨 生馬 特定非営利活動法人 サービスグラント 代表理事
佐藤 大吾 (Daigo Sato) 株式会社LIFULL Social Funding 代表取締役
篠田 厚志 特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパン関西 理事長
島津 智之 認定NPO法人NEXTEP 理事長
慎泰俊 Taejun Shin
杉山 文野 (Fumino Sugiyama)  トランスジェンダー活動家
高井伸太郎 特定非営利活動法人AIMS 代表理事
瀧口徹 牛込橋法律事務所 代表弁護士
谷隼太 NPO法人グラスルーツジャパン 代表理事
中島 早苗 NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 代表
能島 裕介 (Nojima Yusuke) 特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー こもん
羽仁 カンタ iPledge 代表
林 久美子 (社)For The World 代表理事
原由子 NPO法人ADDS 理事
坂野充 NPO法人JAE 代表理事
平岩 国泰 放課後NPOアフタースクール 代表理事
平田麻莉 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 代表理事
深尾 昌峰 龍谷大学/プラスソーシャルグループ 教授/代表
藤沢 烈 (Retz Fujisawa) 一般社団法人RCF 代表理事
本郷 朋博 ウイングス医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会 代表
増原裕子 LGBTアクティビスト
松中権 なくそう!SOGIハラ 実行委員会 代表
宮本 聡 一般財団法人村上財団 事務局長
村田 早耶香 (Sayaka Murata) 特定非営利活動法人かものはしプロジェクト 共同代表
門田 瑠衣子 (Ruiko Monda) 特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLAS 代表理事
山本未生 一般社団法人WIT 代表理事
横尾俊成 NPO法人グリーンバード 代表
吉岡マコ 認定NPO法人マドレボニータ 代表理事
吉田 雄人 (Yuto Yoshida) NPO法人なんとかなる 共同代表
李炯植 NPO法人Learning for All 代表理事
渡辺一馬 一般社団法人ワカツク 代表理事

【ビジネス】
相原輝夫 株式会社ファインデックス 代表取締役社長
秋山咲恵 株式会社サキコーポレーション 代表取締役社長
家入一真 株式会社CAMPFIRE 代表取締役
石黒不二代 ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役 兼 CEO
内山幸樹 (株)ホットリンク 代表取締役社長
衣斐 茂樹 富士電機産業株式会社 代表取締役社長
大久保和孝 新日本有限責任監査法人 経営専務理事
岡島悦子 株式会社プロノバ 代表取締役社長
加治慶光
加藤史子 WAmazing株式会社 代表取締役CEO
金澤大輔 株式会社オプト 代表取締役社長CEO
亀井智英 Tokyo Otaku Mode Inc. 代表取締役会長
木村尚敬
楠本修二郎 カフェカンパニー株式会社 代表取締役社長
窪田良 窪田製薬ホールディングス CEO
小泉文明 株式会社メルカリ 取締役社長
古俣 大介 ピクスタ株式会社 代表取締役社長
五味陽介 株式会社ビジョン 事業推進室長 広報・IR部統轄
小安光司 株式会社waja 代表取締役COO
佐藤守正 株式会社エフピコ 代表取締役社長
重富隆介 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 常務執行役員
島田 久仁彦 株式会社KS International Strategies 代表取締役社長
白木夏子 Natsuko Shiraki 株式会社HASUNA  CEO
高野真 MTパートナーズ 代表取締役社長
高濱正伸 (株)こうゆう 花まる学習会 代表取締役
田口義隆 セイノーホールディングス 代表取締役社長
田中 美和 株式会社Waris 代表取締役共同創業者
辻庸介 株式会社マネーフォワード 代表取締役社長CEO
寺田親弘 Sansan株式会社 代表取締役社長
永江 一石 (一石永江) ランダーブルー株式会社 代表
中村 仁 株式会社お金のデザイン 代表取締役社長 CEO
西 恵一郎 株式会社グロービス マネージングディレクター
西川 正明 株式会社 再春館製薬所 代表取締役社長
長谷晴義 株式会社 八芳園 代表取締役
林千晶 ロフトワーク  代表取締役
坂野尚子 ノンストレス  代表
樋浦直樹 READYFOR株式会社 代表取締役COO
東 良和 沖縄ツーリストホールディングス株式会社 代表取締役会長
別所 宏恭 レッドフォックス株式会社 代表取締役社長
堀江敦子 スリール 代表
堀 義人 (Yoshito Hori) グロービス 学長
松本恭攝 ラクスル株式会社 代表取締役
真鍋康正 ことでんグループ 代表
水野雄介 ライフイズテック株式会社 代表取締役
御立尚資 ボストンコンサルティンググループ シニアアドバイザー
宮澤弦 Gen Miyazawa ヤフー株式会社 常務執行役員
茂木潤一 キッコーマン 事業開発部長
森 浩生 森ビル(株) 取締役副社長
安渕 聖司 (Seiji Yasubuchi) ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 代表取締役社長
山下 和洋 株式会社ヤマシタコーポレーション 代表取締役社長
山田真里 (株)マルヤス工業 専務取締役
山野 智久 (Tomohisa Yamano) アソビュー株式会社 代表取締役社長
吉松 徹郎 株式会社 アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO
若林 直子 ソーシャルピーアール・パートナーズ株式会社 代表取締役

【メディア・ジャーナリズム】
香西志帆 百十四銀行
小島慶子  エッセイスト、東京大学大学院情報学環客員研究員
白河 桃子 (Shirakawa Toko) 相模女子大 客員教授
末松弥奈子 株式会社ジャパンタイムズ 代表取締役会長
瀬尾 傑 (Masaru Seo)  株式会社講談社 第一事業局担当部長
堀 潤 (Jun Hori) NPO法人8bitNews 代表理事/ジャーナリスト

【医療】
市橋 亮一 (Ryoichi Ichihashi)  医療法人 かがやき 総合在宅医療クリニック 理事長
宋 美玄 (Mihyon Song) 丸の内の森レディースクリニック 院長
馬場稔正 MRT株式会社 代表取締役社長

*当プロジェクトは村上財団( Aya Nomurakami若林 直子 (直子若林) )の支援を受けてスタートすることができました。ここに心より感謝を表します。


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年6月15日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。