ホワイトハウスで大統領のために働く――ワシントンD.C.に集う人々のアメリカン・ドリームといって過言ではありません。トランプ政権を支えるスタッフの面々も、誇りを胸に職務を遂行しているのでしょう。メディアで時に叩かれることがあっても、クレジットカードの広告ではありませんが、「お金で買えない価値がある」というものです。
とはいえ、ワークライフバランスなどとは無縁な職業であることに違いなく。国家経済会議(NEC)の委員長を務めるクドロー氏は、G7首脳会合直後であり米朝首脳会談当日の6月12日に心臓発作で倒れたのも、過労その他云々がたたったと考えられます。
そのクドロー氏をはじめ、トランプ政権スタッフ陣の気になる年収が明らかになりました。374人中、最も高額な年収を得ているのはもちろんトップクラスの面々で少数に限られる・・・かと思いきや、意外な事実が浮かび上がりました。
例えばクドローNEC委員長やボルトン大統領補佐官(安全保障担当)など、最も高額な年収を得ているスタッフは23名で全体の6%に相当し、4番目に多いのですよ。気になる年収は、17.97万ドル(約1,980万円)。ここには、広報部長ではないものの毎日メディア対応に追われるサラ・ハッカビー・サンダース報道官が含まれます。国家通商会議の委員長から格下げされた感のあるピーター・ナバロ通商製造業政策局長も、同列です。
逆に最も低い年収は、トランプ大統領の長女イバンカ氏とその夫であるクシュナー夫妻の2人でゼロでした。その次に、3万ドルで次席政策調整補佐官1人がここに区分されています。
ここで、オバマ政権時とトランプ政権1年目と比較してみましょう。2018年は2017年よりスタッフが3名減って374名ですが、オバマ政権と比較すると高額年収者が比較的多いことが分かります。オバマ政権スタッフの年収・中央値は2016年当時、7万3,051ドルでした。
(作成:My Big Apple NY)
翻ってトランプ政権2年目、ホワイトハウスのスタッフ年収・中央値は8万4,433万ドル也。民主党から批判を招きかねませんが、上位40%の年収の上限が2016年時点で12万1,018ドルであることを踏まえれば、決して高水準とは言えません。トランプ政権下での職歴は来たるべき将来、r>g=現状の年収より高いリターンを約束するのでしょうか。
(カバー写真:The White House/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年7月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。