ウクライナで本格的に使い始めたUBER(ウーバー、アプリによる配車システム)を、東京でも何回か使ってみました。
海外では、行先をアプリに入力すると、格安の車からプレミアムな高級車まで表示され、選択できるようになっています。しかし、東京で同じように車の検索をすると、表示されるのは、いつもハイヤーかブラックVANと呼ばれる大人数用の大型車だけになっていました。
ハイヤーの方が少し安いですが、後からクレジットカードに請求される料金は、通常のタクシーの価格に比べると2割から5割くらい高い感じです。例えば、赤坂から品川までの利用料金が2934円。時間帯にもよりますが、タクシーならせいぜい2000円程度のはずです。
「白タク」が禁止されている日本ですが、UBERが東京で展開している配車サービスは、実はハイヤー会社が請け負っているようです。毎回配車でやってくる車は黒塗りの高級車。だから運転手も訓練されていて、礼儀正しい方ばかりです(写真)。
車内で会話をする機会があったドライバーの方は、ハイヤーの会社に所属して、UBERの配車とハイヤー会社への依頼の仕事の両方をこなしていると言っていました。たしかにナンバープレートを見るとグリーンになっていました。
誤解していましたが、日本ではUBERにいわゆる「白タク」はありません。合法的な営業だけになっているのです。
UBERは、国内ではまだ東京を中心とする一部のエリアでしかサービスを行っておらず、それも規制のせいでタクシーより高品質で高価格なハイヤーによるサービスしか提供できないようです。
つまり、日本のUBERはライドシェアサービスではなく、単にハイヤーの配車アプリとしてしか機能していないということです。
価格が高くても、外国人にはタクシー運転手との面倒なやり取りが無いというメリットがあります。実際に利用している人の半分以上は外国人だということでした。しかし、日本人の場合、高級車で迎えに来てほしいという人以外は、UBERを利用するメリットはあまり無いということになります。
この価格での提供を続けていても、今後利用者が急激に広がる可能性は低いと思います。規制緩和が進まず、そのうちにUBERが日本市場に見切りをつけて、事業撤退といった事態にならないことを祈りたいと思います。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。