こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は夕方から秋の定例会に提出される所謂「LGBT条例」を巡る勉強会に出席いたしました。
過去記事:
小池知事の前向きな「変節」。東京都が都道府県初となるLGBT条例制定へ
成立すれば「都道府県初」となるLGBT条例は確かに画期的なものですが、現時点で発表されている骨子案にはいくつかの懸念が残されています。
今日の勉強会でも当事者の方々がとりわけ強調されていたのが、「差別が明確に禁止されていない」点です。
(引用元)
理解促進や啓発はもちろん重要ですが、明確に「差別は禁止」と明記することとは意味合いに雲泥の差が生じます。
基調講演を行った労働政策研修機構の内藤忍先生によると、イギリスで2010年に成立した「平等法」ではすべての領域の差別を明確に「禁止」することを謳い、それゆえに強いメッセージと影響を英国社会に与えたとのことでした。
東京都の条例案は「都道府県初」となるだけに、ここでどのような内容が規定されるかは今後の流れを大きく左右することになります。
罰則をどこまで規定し実効性をもたせるかを含めて、差別を「禁止」とするかどうかは、都議会でも大きな争点となりそうです。
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そして後半の当事者たちによるリレートークでは、胸を打つ発言がいくつもありました。
どれだけ努力しても、就職する時に偏見を持つ企業の壁に跳ね返されたこと。
LGBT当事者が住みやすかったカナダで永住権の取得に失敗し、日本に帰国せざる得ないことになった時、自殺まで考えたこと。
職場での差別と戦い続けてきた同僚が、ついに命を絶ってしまったこと…。
しかしながら、先に「生産性」発言で大きな批判を浴びた杉田水脈議員は、このような見解を堂々と述べていました。
>しかし、LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか。もし自分の男友達がゲイだったり、女友達がレズビアンだったりしても、私自身は気にせず付き合えます。(新潮45記事より抜粋)
このような主観を一般化して堂々と述べて、差別解消施策に反対する代議士が存在するのが、残念ながら我が国の実情です。
本日の勉強会には自民党都議も参加しており、これは今までにない変化だと少し期待も持ちましたが、スピーチの中にはやはり条例制定そのものや差別解消に後ろ向きと判断せざる得ない発言が相次ぎました(そして冒頭のみ出席してすぐに退席…)。
こうした無知や無意識的な差別と闘い、可視化していくためにも、我々も「アライ(支援者・同志)」として世論を喚起し、声を上げていかなければなりません。
条例案が提出される秋口まで、禁止条項については含めて、しっかりと研究・政策提言をしていきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年7月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。