山本前地方創生担当相の新刊『世界が驚く!日本の宝 稼ぐ!地方創生』

地方創生<内閣官房・内閣府>ツイッターより:編集部

「井上さん、日本出身のノーベル賞受賞者25名のうち、東京で中学高校を過ごしたのは何人いると思う?」

「たった1人(利根川進先生)だけなんだよ。少年時代に野山を駆け回ったことが想像力につながっているんだと思う。」

昨年、鹿児島県長島町の副町長時代に、山本幸三(やまもとこうぞう)地方創生担当大臣がいらっしゃった時のお言葉が、今でも強く印象に残っている。

まずは現場を知らなければ

山本幸三衆議院議員の新刊『世界が驚く!日本の宝 稼ぐ!地方創生』は、1年間の大臣在任中、46都道府県、133市町村、303か所の事例を見られた中から、厳選されたもの、そして有識者との対話について、簡潔に、力強くまとめている。地方創生本の決定版!

長島町のほか、

地域づくりは楽しい!ブログでよく取り上げた

岩手県紫波町のオガール

東京都墨田区の浜野製作所

徳島県神山町のサテライトオフィス

宮崎県日南市の油津商店街

などを始め、農業・漁業、観光、地場産業活用、商店街活性化、移住・サテライトオフィス・CCRC、規制改革・RESAS活用、大学・高校の活用という多岐にわたる分野について、無駄のない文章で、かつ、政府の政策やデータも紹介しながら紹介している。

上述のノーベル賞のくだりなど、さまざまなエピソードも面白い。

印象に残ったことはたくさんあるが、敢えて一つだけ紹介すると、飯田泰之明治大学准教授との意見交換で触れられた「東京飛ばし

「リンゴといえば、青森・長野」というように、日本人を相手にすると、良い商品であっても誰でも知っている名産地の品ではなければ良いものではないと思われてしまい、とてももったいない。海外ではそういうことは関係なく、むしろ日本国内の歴史と伝統で築かれた序列から逃れることができるというわけだ。

これまで、地方創生に関する本は数百冊読んできたが、敢えて一冊だけ薦めるとしたら、この本を薦めたい。皆さんも、『世界が驚く!日本の宝 稼ぐ!地方創生』から、地方創生の本質をくみ取ってほしい。

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年7月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。