こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨年の臨時議会で予算が承認され着手していた、豊洲市場の「追加安全対策工事」が終了し、専門家会議がその工事完了と科学的安全性を宣言しました。
これを受けて小池知事は7月31日、「安心、安全な市場として開場の条件を整えることができた」とする安全宣言を行い、ついに長きに渡ってきた豊洲市場の「安全性」論争に決着がついたことになります。
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追加安全対策工事については「やった方が良い工事」ではあるものの、豊洲市場の安全性は地下水の汚染状況如何にかかわらず、法的には従前から確保されていたものでした。
私自身はこの点を理解しており、当初は早期の豊洲市場への移転を一貫して主張していたにもかかわらず、選挙戦略と政局から市場移転問題を利用しようとする小池知事および都民ファーストの会の方針に流された結果、事態の混迷を助長してしまったことは以前に総括させていただいた通りです。
豊洲市場移転問題についての総括 -政治的判断の過ちと今後について-
これらの私の政治判断ミスについて、改めて深くお詫び申し上げたいと思います。誠に申し訳ありませんでした。
一時期、テレビを始めとするメディアは熱狂的にベンゼンなどの有害物質の数値や「謎の地下空間」を取り上げ、豊洲市場への懸念を連日のように報じてきました。
豊洲市場「安心」が増加、57%に 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル
昨年4月の調査に続き、地下の汚染問題が起きている豊洲市場を安心だと思うかを質問したところ、「大いに安心」が9%(昨年4月調査は6%)、「ある程度安心」は48%(同31%)で、安心と思う人は昨年4月調査より増えた。ただ、「あまり安心ではない」は35%(同41%)、「まったく安心ではない」は5%(同19%)。安心と思わない人は減っているものの、なお4割いた。(上記記事より抜粋、強調筆者)
ほとんど市場移転問題が報じられなくなり、豊洲市場への「安心感」を持つ人は増えているものの、まだ漠然とした不安を抱える人が多いことが調査からも伺えます。
こうしたいわゆる「風評被害」を払拭するために、私自身は過去の責任と向き合うとともに、あらゆる機会を捉えて情報発信を続けていかなければならないと改めて決意するものです。
※なお、以前からお約束している風評被害対策のために寄付については、寄付先の団体や活動状況を鑑みて、ベストなタイミングをすり合わせている最中です。風評被害対策は数年単位に及ぶことからも、拙速に寄付そのものを急ぐよりも、もっともお役に立てるタイミングで行いたいと考えております。
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小池知事による「安全宣言」が行われたことは前進ではあるものの、果たして宣言だけで良いのでしょうか。
これまでの経緯を改めて振り返り、この費やされた時間と経費は適切なものだったのかどうか、報道のされ方も含めて検証する必要があるでしょう。
何より、築地再開発も豊洲市場「千客万来施設」予定地の暫定利用についても、7月末現在で具体的な展望がまったく示されていません。
10月11日の豊洲市場移転を前に進めるという作業はもちろんのことですが、上記の点についてもしっかりと今後の議会で指摘していきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年8月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。