不動産には「調理する楽しみ」がある

資産運用は金融資産と実物資産を組み合わせてやるべきというのが持論です。金融資産は使い勝手は良いですが「歪み」からの収益は狙えません。2つの資産のもう1つの違いは、自分で調理できるかどうかです。

金融資産の場合、購入した商品を自分で加工してバリューアップすることはできません。投資信託を購入して、自分で勝手に改造するといったことはできません。ところが不動産の場合は、自分なりのやり方で工夫して、さらに価値を高めていくことが可能です。

例えば、写真の物件は23区にある、築古の狭いワンルームです。広さは14平米ほど。通常の家賃は6万円程度ですが、ベッドや家電製品なおの家具を揃えて、Wi-Fiをセットアップして貸し出すと、8万円程度までバリューアップすることができます。日本に留学や仕事でやってくる外国人のニーズを捉えることができるからです。

初期投資のコストがかかりますが、そのリスクを取って、自分で調理して、価値を高められるのです。

あるいは、六本木て購入予定の物件は、パーティルームとして、運用を予定しています。

しかし、運営ノウハウを持っている会社の専門家に相談したところ、ソファとテーブルを置いたオーソドックスなレイアウトではなく、ソファで横になってまったり出来る「ゴロゴロルーム」にするプランを提案されています。

パーティルームを借りる人たちは、お店だと寛げないという客層です。友達とゲームをしたり、お菓子を食べたりしながら、ゴロゴロするのが最近のトレンドらしいのです。

こちらも初期投資のリスクがありますが、うまくいえば通常の賃貸の数倍の収益を生み出すポテンシャリティがあります。

かつては、ネット証券やプライベートバンクで仕事をしながら、投資信託の商品分析に熱中していたのが、今や「ゴロゴロルーム」の内装をどうするか一生懸命考えている。

自分でも数年前に不動産物件の内装を考えることが仕事になるとは想定していませんでした。でも、少なくとも思うことは、投資信託でコツコツ投資していた時より、今の方がずっと楽しく、しかも収益性が高いということです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。