立つ鳥跡を濁さず、という言葉を贈ります

早川 忠孝

よりによって、代表選の告示の日に離党届を出すという感覚が私には分からない。

まあ、立憲民主党に鞍替えするためにあえて国民民主党の執行部に喧嘩を売ったような形を作りたい、ということで国民民主党の代表選の告示の日にあえて離党の記者会見を開く、というのであれば、これはこれで一つのパフォーマンスとして受け容れることもあるだろうが、単に無所属になるための離党届の提出だったら、粛々とおやりになる方がよかった。

まあ、記者会見の模様を見ておられた方もおられるようなので、マスコミや世間からガン無視されたわけではなかったようだから、ご本人はそれなりに満足されているのだろうが、野党勢力の再結集を本当に願っておられるのだったら、こういう類のパフォーマンスは結局はご自分の手足を縛ってしまう。

余計な敵を作らない、ということが生き延びていくための最低限の要諦だと思うが、多分、今回の記者会見で、終生席を同じくすることは出来ない敵を作ってしまったのではないだろうか。

ちょっと軽率だったんじゃないかしら、などと心配している。
もっと上手な辞め方があったはずなのに、わざわざ人の古傷を逆撫でするようなことをしてしまった。

自分で自分をどのように評価する科、ということも大事だが、大体人の評価は他人がするもの。

立つ鳥跡を濁さず、という言葉がある。

昨日の辞め方は、どうも美しくない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。