日本人の立場からは中国史をこう捉えるべきだ

八幡 和郎

このほど『中国と日本がわかる最強の中国史』 (扶桑社新書) という本を出した。そこで、今回は論点をいくつか紹介しておきたい。帯には、『中華思想は「幻想」でしかない!』『韓国とは違って、中国の属国ではなかった日本から見た、目からウロコの中国4千年史』とある。
思うにかつての日本人は、中国をみるのにしばしばコリアンの見方に影響されてきた。直接の交流のほかに、半島を通じた文物の輸入があり、儒学者などの来日も多かったので、中国の従属国家であった半島国家の見方がかなり日本人に伝染してしまっていると思う。日本は従属国家であったことはないので、違う歴史観で動いてきたし、そのことを再認識すべきだと思う。

冊封体制論は日本特有のガラパゴス史観の虚構

冊封関係というものが東アジアの基本的な外交秩序だったというのは西島西嶋定生という東京大学教授が戦後になって唱えた学説にしたがったもので、中国でも存在しないガラパゴス史観である。そういう認識が時代的にも、地域的にも共通して存在したわけでない。

弥生人は朝鮮半島でなく江南からやってきた

水田耕作技術は中国江南地方のものが日本にもたらされたのであって、朝鮮半島は沿岸を通過したか、あるいは、短期間、経由しただけである。東北地方と同じような気候の半島で米作りが九州より先に普及するはずがない。

帰化人のほとんどは半島人でなく漢民族

帰化人の由来を調べると、ほとんどが、漢族である。とくに、文化や技術を日本に伝えた、秦氏、止利仏師、王仁博士などいずれも百済に一時期住んでいたにしてもすべて漢族だ。百済人などは亡命者が主体である。

漢や唐の栄華は中国より日本に残っている

漢の時代や唐の栄華は中国にしのぶべきものは残っていないし、漢字の読みかた、着物のスタイル、義理人情などいずれも古代中国の文明の粋は日本にこそ残っている。

元寇と倭寇の敗北で日本には勝てないと思う中国人

中国人は元寇で侵略に失敗し、倭寇にさんざんやられたので、日本人を屈服させようとしても無理だと考えている。だからこそ、日本国内の媚中派を手なずけて、日本人から牙を抜こうとしている。

秀吉が死んだ隙に清が中国を統一した

文禄・慶長の役で日本は負けていない。ただ、秀吉が死んで内戦になったので勝利のチャンスを失っただけ。ただし、朝鮮に丙を移動した隙に満州族が勃興して明は滅びた。

沖縄が中国であったことはない

沖縄の人は平安時代以降の南九州からの移住者が主体であるし、江戸時代も薩摩藩73万石の内数に入っていた。

孫文は親日的だったのか?容共だったのか?

孫文は自分がいきのびるためなら何でもいったししたので、本心など存在しない。

抗日戦争から逃げて生き延びた中国共産党

「一帯一路」は「大東亜共栄圏」の焼き直し

西太平洋は自分のものだとアメリカにいって日本はやられた。習近平は同じことをしたがっているが、やめたほうがよい。

習近平は安倍首相との外交戦争に負けた

同じ6年前に権力についた2人だが。習近平は欲張りすぎて、いまや、アメリカとの貿易戦争や、ヨーロッパでの警戒感の高まりで絶体絶命だ。

中国と日本がわかる最強の中国史 (扶桑社新書)
八幡 和郎
扶桑社
2018-09-04