石破茂氏の大健闘にリスクを取って勝負する大事さを感じた日

音喜多 駿

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日は事実上、日本の次なる首相を決定する自民党総裁選の投開票日でした。

すでに大きく報じられている通り、明日9月21日に64歳の誕生日を迎える安倍首相がウイニング・ランを決めたわけですが、下馬評以上の石破氏の善戦が光る結果となりました。

特に自民党員でもなんでもありませんが、軽減税率導入に慎重姿勢を取る石破氏の方に期待してきた私としても、それなりに前向きな結果だったかな…と。

過去記事:
世紀の愚策「軽減税率」、導入に慎重な石破茂氏と自民党総裁選の議論に期待する 

大方の世間の見通しでは、今回の総裁選で石破氏は手酷く完敗、石破氏側についた議員たちもろとも党内で「冷や飯を食わされることになる」「政治生命が終わる」と言ったことが実しやかに語られていたのですが。


石破茂公式HPより引用)

党員票で4割以上を集めた石破氏には「ポスト安倍」への期待がにわかに高まり、当初から下馬評不利を知りながら石破氏を応援していた議員たちの株も急上昇する結果となったようです。

こうして善戦した石破サイドの評価が上がる一方で、今回の総裁選で「負け組」がいるとすれば、それは岸田文雄氏と小泉進次郎氏ではないでしょうか。

当初、総裁選における安倍首相の対抗馬と目されていた岸田文雄氏は、今回は出馬せずに安倍首相に「貸し」をつくり、総裁ポストの禅定を狙う選択を取りました。

しかし、この日和見的な対応は完全に裏目に出たようです。闘いから逃げた岸田氏の存在感は国民の中でほとんどゼロになり、逆に闘った石破氏の存在が一層大きなものになったことは間違いありません。

そして今回、「闘わなかった」もうひとりの次期総理候補が、言わずと知られた小泉進次郎氏です。

橋下徹氏などに批判されながら、それでも総裁選において党員投票が締め切られるまで態度表明を行わず、結果がわかってから「石破氏に入れた」と後出しジャンケン。

これによって、双方に良い顔をしようとして双方から微妙な顔をされるという、政治家としてもっとも株を下げる結果を招きました。

今回の岸田氏・小泉氏の両氏に共通するのは「リスクを取らなかった」点につきます。

闘いから逃げて、安全圏で恩恵だけを享受しようと立ち回った挙げ句、もっともダメージを負う結果を招いてしまいました。

これに対して石破氏は「これで惨敗したら終わり」という状況下で、極めて大きなリスクを取って勝負をかけた。

そして、総裁選という試合には負けたものの、「勝負」には辛勝し、次期総理に大きく近づく成果を得ました。

まさに今回の石破氏の奮闘と結果に、「リスクを取らないことこそが最大のリスク」という言葉の真髄を見た気がします。

もちろん、リスクを取って討ち死にすることもあるでしょうし、結果が異なれば「勝ち組」「負け組」の立場は逆転していたわけですが…。

今回の一連の総裁選を見て、私も「闘い続ける」ことを旨とする一人の政治家として、非常に感銘を受けるところがありました。

勝負すべきところで恐れずに勝負に出て、結果を出せる人間でありたい。

そんなことを感じた34歳最後の夜でした。

三選を決めた安倍総裁におきましては、自民一強の状況に甘んじることなく、国民に開かれた政治を行っていただくことを(同じ誕生日のよしみとして…)期待するものです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年9月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。