熱海の奇跡

井上 貴至

熱海のV字回復、御存じですか。

一時期、年間250万人を切った宿泊客は、300万人を超えるまで回復。

現場で、何が起きているのでしょうか?
『熱海の奇跡』の著者・市来広一郎さんと、短い時間ですが意見交換しました。

市来 広一郎
東洋経済新報社
2018-06-01

 

熱海の面白いを発信したい!地元の人が、熱海の魅力を案内する「熱海温泉玉手箱(オンたま)」を熱海市観光協会、熱海市などと協働で開始、プロデュース。

その結果、タクシーの運転手さんなども積極的に、熱海の魅力を語るようになったとのこと。

コミュニティと誇りが大切。僕が鹿児島県長島町に赴任したとき、最初に地元の皆様と一緒に、地元の生産者等を徹底的に特集する『長島大陸食べる通信』を創刊したことが、その後のさまざまな地方創生につながったことを思い出しました。

市来さんが経営するコワーキングスペース

首都圏等への積極的な発信、旅館経営者の若返りとさまざまな改革だけではありません。

地域のための事業と、お金を稼ぐ事業。
この2つをしっかり両立していくことが大事。

市来さんの会社では、熱海駅から徒歩10分の熱海銀座地区に集中して、ゲストハウスやコワーキングスペースをオープン。商店主と信頼関係を構築し、リノベーションとインキュベーションを繰り返していきます。

エリアが目に見えて変わることで、ますます信頼関係が強固になり、できることが広がっています。

空き店舗を改装した熱海プリンは大人気!

若い客が増え、若い客が好む洗練されたお店も増えてきたとのこと。そして、それがまた若い客の増加につながる好循環が生まれています。

今後は、熱海全体の都市計画や豊かな公共空間をつくっていけるかがカギだと思いました。

温泉、海、魚、柑橘…
松山と共通するところも多く、参考にしていきたいです。

もう少し知りたい!
古民家のリノベーションがなかなか進まなかった理由とその対策

<井上 貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年9月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。