X JAPANの「来日公演」を観た。幕張メッセ3デイズの2日目。まさか、行けるとは思っていなかった。ダメ元で抽選販売に申し込んでいたのだが、奇跡の当選。あくまで個人的な感覚でしかないが、楽天チケットは抽選販売の当選確率が高いような気がする。
中学校の同級生、エイジくんと一緒。思えば、X(当時)のメジャーデビューアルバムをコープさっぽろ藤野店のCD売り場で予約して買って。中学校の同期で、最初にXのCDを買ったのはたしか私で。彼にダビングしてあげたような。感慨深い。
安定の45分押し。でも、これくらいで驚いてはいけない。SE「MIRACLE」がいい感じ。ステージにYOSHIKI降臨。ドラムスローン(椅子ね)の上に立つ姿が素敵。
それから3時間、圧巻のライブ。10代の頃は、彼らのライブビデオを文字通り、擦り切れるほど観ており。生で観たのはこれで3回目。2010年の、TAIJIと久々の(そして最後の)共演になった日産スタジアム、さらに珍しく定時で始まった2011年のサマソニ。MCでも、国内での、フルサイズの、しかもドラムありのX JAPANは2010年の日産スタジアム以来だと言っていた。他は短めのライブハウスでのライブ、アコースティックライブ、イベント出演が中心だったのだな。
率直に、これまでのライブビデオよりも、過去に観たライブよりも、最高によいパフォーマンスだった。いつも、YOSHIKIの体調が心配になるのだが、ドラマー生命が絶望的だった人には見えないパフォーマンス。バンドの状態もよさげで。選曲も演出もいい感じ。ドラムライザー(ドラムを載せた台)がせり上がる様子はおなじみなのだけど、客席にCO2ガスをばらまいたり、火柱が立ったり、ドラを鳴らしたり、これまでよりも多くピアノを活用したり、いちいちいい感じ。ピアノやステージに寝そべって絶叫するYOSHIKIのカリスマ性に圧倒された。
3万人のXジャンプは圧巻だった。ワールドツアーを経験し、またスタッフも世界レベルの人が増え、次のステージにあがったのかも。演奏もパフォーマンスもレベルが違う。いや、今までは演奏力もパフォーマンスも上には上がいるぞと言われていたのだが、それぞれいい感じになっているし、なんせ、オリジナリティーがあり。もう国境やジャンルを超えた存在。やっと、XからX JAPANになった感じ。パンパンに人を入れていて、なかなか窮屈だったけど、大満足。
3日目は台風が接近し、交通機関が運休などすることもあり、中止に。この日に行く予定だった人、特にこのために上京、来日した人は気の毒だったが、まあ中止にせざるを得ないだろう。
それにしても、WOWOWで生放送が決まっていたという大人の事情も含めた、無観客ライブ決行には、驚いたが。ニコ生で、少しだけプレビューできることを利用し会員登録せずに観ていたが、これはこれで鬼気迫るものがあり、ナイスだった。私が観ていたときの表記では、50万人以上が参加しており。逆境をものともしない、X JAPAN、恐るべし。むしろ、伝説をつくってしまった。
X JAPANは常にトラブルが連続するバンドである。しかし、それをいちいち乗り越え、伝説にしてきた。この日も気合いと根性を感じた。美しかった。あっぱれ。なんせ、体調などが不安だし、アルバムも聴きたいけれど、なんせこうやって、彼らの鬼気迫るパフォーマンスを何年かに1回見ることができるだけで贅沢かな。見れるときに、見といた方がいいよ、これは。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年10月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。