ありがとう、築地市場!83年の歴史に幕:五輪デポの成否は…

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

いよいよ昨日10月6日が、築地市場の最終営業日となりました。

最終日は人手が多く大変なことになるだろうと思っていましたので、私は4日の夕方に、最後のお別れを伝えるために訪問しました。

思い返せば都議になった時、自分がここまで市場問題にコミットメントするようになるとは考えてもいませんでした。

私が都議に就任した2013年当時には、市場移転問題は「(争点としては)過去のもの」であり、粛々と移転することがほとんど決まっていたのです。

2016年に初めて行政視察で訪れた際も、「築地市場に本格的に来るのは、これが最後かなー」と思いながら回っていたことを覚えています。

歴史を刻んできたこの存在そのものが、本当に尊く愛おしいです。残せるものなら、誰もが残したかった。

しかしここからは、前を向いて築地市場を超えるものを創り上げていかなければなりません。

ありがとう、築地市場。83年間、本当にお疲れ様でした。

当然のことながら、TwitterなどのSNSには築地との別れを惜しむ市場関係者の声が溢れています。

豊洲への移転を一貫して推し進めてきた方々でさえ、口々に寂しさを吐露しています。そして

「戻ってきたい」「いつか戻れると信じている」

という書き込みを見る度に、胸が痛みます。

小池知事は都議選直前の2017年6月20日に発表した基本方針にて、「築地に戻るお手伝いをする」ことをはっきりと約束しています

しかしその後、基本方針は二転三転し、その約束は事実上反故にされつつあるのが現状です。

参考過去記事:
小池知事の「築地を守る」基本方針は変わったのか?変わっていないのか? 

しかも小池知事は、自分の過去の発言(約束)を「一つの考え方として示した」と開き直っている有様であり、このような基本方針を一度でも支持した自分自身を心より申し訳なく思っています。

このような小池知事の不誠実な態度に市場業者が反発するのは当然のことであり、私が4日に聞き取りをしたところでは、かなりの数(少なくとも30~50)の事業者が移転に応じず、座り込みを行いそうだとのことでした。

ひとたび座り込み(居残り)が発生すれば、強制力を持って排除することは民主主義国家である日本では極めて困難です。実際、神田市場のケースでは最後の事業者が立ち退くまで、約3年の月日がかかっています。

そうなれば当然、移転後には速やかに解体作業を進め、五輪デポ(輸送基地)を作るという都の計画が破綻することになります。

市場関係者には豊洲市場開設後1週間となる10月17日まで、資材などを移動させるために築地市場に出入りする猶予期間が与えられています。

なので、座り込みが発生してしまうかのターニングポイントはこの日で、10月18日に大勢が判明すると言えます。

小池知事の判断に不満を持つ事業者たちを説得し、移転に応じてもらうためには、現在基本方針がどうなっているのか?都議選前に約束したことは一体なんだったのか?を、小池知事自身の口ではっきりと市場業者に説明してもらうことが大前提です。

築地再開発の有識者会議は今年5月に終わりましたが、いまだに具体的な再開発プランは影も形も見えない状態です。

市場移転の行方に注視しながら、引き続き議会からも強く小池知事に真摯で誠実な対応を求めていきます。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年10月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。