新潟市長選:市民目線より共闘そのものを重視する野党はおかしい

鷲尾 英一郎

野党は共闘のために共闘をしているようにしか見えない

新潟市長選挙が始まり折り返し地点が過ぎている。今回私の行動が一部物議を醸しているようだ。私は、何でもかんでも野党共闘というスタンスには明確に反対する。県民市民のためになるかを第一に考えなくて何のための共闘かと思う。今回の共闘のどこに市民の目線があるというのか?具体的に今回の野党共闘にどんな共通政策があり、どんな大義名分で共闘をするのか。市民目線での提言は何もない様だ。つまり、ただ共闘のための共闘をしているようにしか見えない。

新潟市公式サイト

前回の市長選挙では与野党対決型ではなかった。ましてや前回、共産党は明確にBRT(Bus rapid transit:バス高速輸送システム)に反対していた。彼らは今回どういう了見でBRTに反対しない候補者を応援しているのかわからない。もっと言えば、連合傘下の交通労連には新潟交通労組が加盟しており、BRTは止めるつもりは全くない。BRTについて反対と賛成の団体が同じ候補者を推すのははっきり言って分かりにくい。共闘を優先するあまり、市民にとっては意味不明瞭にしかならない。

国政の都合しか考えていない野党共闘

では、共闘の大義名分であろう安倍政権にストップ、安倍政権が気にくわないから野党共闘というのも、今、新潟市長選挙において相応しいスローガンだろうか?

新潟市の状況に鑑みれば、安倍総理に文句を言えばいいという話ではないことは明白だろう。それよりも自分達がどういう市を望むか、今後の新潟市の発展には何が必要かという点こそ争点になるべきだ。何度も言うが、共闘を優先するならば、共闘するための政策を明確に掲げるべきで、それを優先課題として市長選挙で訴えるべきだ。

むしろ、私は同僚国会議員に指摘したい。なぜ野党共闘を市長選挙にまで持ち込むのか?と。それは、野党共闘することで、自分の選挙が有利になるだけの話ではないのか?私は昨年の解散総選挙に際して、小池都知事の支持率目当てに、民進党から希望の党へこぞって行こうとした人たちをしっかりと覚えている。他方、連合は果たして本当にオール野党共闘をしたいのだろうか?聞けば選対は別々とのこと。もちろん件のBRT問題にも目をつぶっていると聞く。もし新潟市長選挙において、市民目線をないがしろにしてそれぞれの都合を優先させているとすれば、許されるものではない。

同調圧力には屈しない

蛇足ながら、私がオール野党共闘に否定的にも関わらず、野党共闘を主導した側から私の疑問について、全く説明がなかったことを明らかにしておきたい。

加えて、自分たちと同調しないことがさも悪であるかのように批判し圧力をかけることは如何なものか、と思う。私は昨年の総選挙にて、希望の党合流騒ぎの際に、様々な圧力をはねのけて離党し無所属で戦った。私は、簡単に周囲の同調圧力に屈する者ではない。


編集部より:この記事は、衆議院議員の鷲尾英一郎氏(無所属、新潟2区)の公式ブログ 2018年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鷲尾英一郎の日記をご覧ください。