関わってはいけないインサイダー取引、関わるべきは「インナーサークル」

不動産投資が、金融商品と大きく異なる点の1つは、自分で「調理する」ことによって収益性を向上させることです。

例えば、私が保有している中野区にある物件は、通常の賃貸であれば20万円前後の家賃ですが、簡易宿所の免許を取り、宿泊施設として運営しています。その結果、毎月のコスト差し引き後の収益は50~60万円になり、利回りで3倍近くまで向上しました。

あるいは、現在港区で内装工事を行っているパーティースペース物件も、通常賃貸は25万円前後の物件です。こちらも、時間貸しにすることで、毎月の売り上げ100万円超え、コスト差し引き後でも、通常賃貸の2倍の収益を目標にしています。

このような新しい不動産活用の方法は、改装コストなどがかかります。また、通常賃貸よりは収益のブレが大きく、リスクは大きくなります。しかし、同じ投資をしても、その後の知恵と工夫によって収益が変わってくる。これは金融商品にはない、不動産にしかない魅力だと思います。

簡易宿所にせよ、スペース貸しにせよ、それぞれに専門の運営会社に外部委託することで、手間はかかりません。さらに、最近はファミリーマートに鍵の受け渡しができるキーボックスが設置されることも増え、このような新しい不動産賃貸ビジネスを後押ししています。

ただし、内装工事のデザインや施工技術、そして完成後の運営に関しては、信頼できる会社を見つけることが大切です。このような情報は「インナーサークル」でしか得られないのです。

金融商品は、インサイダー取引に気をつけなければなりません。一方の不動産は、インナーサークルに入ることが重要なのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。