こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は伊藤陽平区議にお誘いいただき、日本財団ビルで10日間限定で開催されている「分身ロボットカフェ DAWN」に行ってきました。
遠隔コミュニケーションロボットOriHime-Dによる分身ロボットカフェ、Café DAWN
10日間限定でオープンしているこのカフェですが、すでに関係者の間で話題沸騰。
何がすごいって、単に遠隔操作ロボットがカフェ店員として接客してくれるだけではありません。このロボットを操縦している「パイロット」は、全員が難病や障害などの理由でいわゆる「寝たきり」状態になっている方々なのです。
ある人は目で、ある人は指先で、ある人は顎の先端で。
オリィ研究所が開発した、自分が動かせるわずかな部位だけで操縦可能なロボット「OriHime-D(オリヒメ)」によって、接客という「仕事」を見事にこなしていました。
(1分程度の動画も)
もちろん「オリヒメ」にはカメラが搭載されていて、パイロットからこちらの様子は見えていますし、会話もスムーズに可能です。
飲み物をサーブした後の「フリータイム」では、各テーブルで来場者とパイロットたちが楽しくコミュニケーション。
私たちのテーブルを最初に担当してくれた「マサ」さんは、脊髄性筋萎縮症で寝たきり状態。気管切開をしているために常に介助者が必要な状態とのことで、今回が生まれて初めての「仕事」。
それでもしっかりと会話まで含めて役割をこなし、
「まさか人生で初めてする仕事が、『接客』になるとは夢にも思いませんでした!」
という一言で、場の爆笑をかっさらっていきました。
こちらは小型のオリヒメ(ミニヒメ)。視覚の共有と会話に加えて、手を可愛く動かしてコミュニケーションができます。
このパイロット・オリィ研究所秘書の「のぞみん」は、世界でも150人しかいない「自己貪食空旗袍ミオパチー」という難病だそうですが、何らハードルを感じさせず、まるでその場にいるかのように楽しく会話が弾みます。
ただ、
「僕、地方議員をやっているんですよ」
「(首がこっちに向く)あ、もしかして、音喜多さんですか?!」
「あ、そうですそうです!知ってましたか?嬉しいなあ」
「……(通信が絶妙なタイミングで途絶える)」
というコントみたいな展開もありました(笑)。
この小型のオリヒメは、結婚式や卒業式などの式典に自宅から出席するときに重宝するようです。
まさにこれまでの「不可能」を可能にした未来空間。「イヴの時間」というSFアニメをモチーフ・コンセプトにした店内の雰囲気も秀逸で、規定の1時間があっという間に過ぎてしまいました。
■
いやはや、月並みですが、百聞は一見にしかずといいますか。
実はこのカフェには、オープン前の準備段階から訪れていまして、オリィ所長ともそのときに話して概要や狙いはだいたい理解していたつもりでした。
しかし、実際に「オリヒメ」の中に入って、自宅にいながら生まれて初めての(あるいは久しぶりの)「仕事」「接客」を楽しんでいるパイロットの方々と触れ合うと、言葉にできない感動と感情がこみ上げてくるものがありました。
「もっともっと働きたい」
「このカフェが常設になって欲しい」
「サーブするだけでなく、今度はバリスタをやってみたい」
等など、パイロットの皆さまが目を輝かせながら(オリヒメの目が光りながら。笑)、はずんだ声で夢を語ってくれて。
そしてこちらの愛知県で勤務しているみかさんからは、
「オリンピック・パラリンピックのボランティアに参加したい!」
との要望・意見をいただきました。
確かにこの「オリヒメ」によって、会場内の道案内などの業務であれば、家にいながらにしてこなすことも十分に可能なはずです。
テクノロジーの力で、多様な参加機会を切り開いていく。まさに2020東京大会のコンセプトに相応しいことではないでしょうか。
オリヒメ等の分身ロボットによって、ハンディキャップがある方々がボランティアとして参加する。もはやテクノロジーの進化によって、これは荒唐無稽なアイディアではありません。
早速私から東京都に政策提案し、必ずや実現にまでこぎつけたいと思います。
オリヒメ開発者の吉藤オリィさん、関係者の皆さま、本日はありがとうございました!残り2日間、頑張ってください。
激戦ですが、当日券あり。入れなくても中の様子を見たり撮影することができますので、ぜひ皆さまも7日(金)までに足を運ばれてはいかがでしょうか。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2018年12月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。