アライアンスの問題はあるだろうが、ゴーン氏が欠けても、ルノーも日産も最終的には現状維持を選択するはずである。
ルノーは相変わらずゴーン氏をCEOに置いているようだが、ゴーン氏が起訴され、再逮捕で勾留が長引くようだと、いつまでもゴーン氏をCEOに置いておくのは拙い、という結論になるはずである。
わが国では識者の一部にゴーン氏擁護論者がおられるようだが、ゴーン氏が起訴されてしまってもゴーン氏擁護論を展開し続けられるかは疑問である。
ゴーン氏を起訴すれば、検察当局も起訴という事実の公表に併せて、起訴に至った理由や起訴事実の詳細について何らかの説明をするはずである。
記者会見で記者の質問にどこまで答えるかは分からないが、記者会見を開かないなどということは考え難い。
起訴されてしまえば、通常は、後は裁判の推移を見守るしかない。
公判が開かれないうちにあれこれ言っても、たとえ識者の発言であっても、当事者にとってはただの雑音でしかない。
ルノーも、いずれはゴーン氏が経営陣にいないということを前提に物事の処理を進めていかざるを得なくなる。
ルノーがゴーン氏と運命を共にする、ゴーン氏と一蓮托生だ、ということにはならないはずである。
ルノーの株主であるフランス政府としてはあれこれ口を出したいところだろうが、ゴーン氏が起訴されてしまえば、事態の推移を見守るしかない、ということになるはずである。
日本の政府にもフランスの政府にも、今の事態を自分たちの都合の良い方向に導いたり、解決する力はない。
まあ、これで日仏間に大きな亀裂が走るというのであれば、国際問題になるが、ことがゴーン氏の犯罪ということであれば、そこまでの大きな問題にはならない。
まあ、所詮は、なるようになるさ、ケセラセラ、ということかしら。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年12月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。