障害者だからこそ、自分が理解して納得すること!
私は、生来の気質として、何でも自分で確認しないと気が済まない人間です。仕事においても、例えば弁護士に何かを相談するとしたら、必ず答えに「根拠条文」を求めました。つまり、○という法律の○という箇所に○と書いてあるので合法です、といった感じです。部下が「弁護士が良いって言ってました!」という報告をしようものなら、私はすかさず「根拠条文は?」と突っ込んでいました。自分の頭を使って確認する癖をつけて欲しかったからです。
ALSになってわかったことに、障害者を取り巻く制度の複雑さがあります。私は、今年40歳になったので、介護保険と医療保険と重度訪問介護の制度を併用しています。これら全ての制度の仔細まで熟知している人は、介護業界にもほとんどいません。私が質問しても、満足いく答えが返ってこないことが、過去にしばしばありました。
患者とその周りの皆様、思考停止していませんか?『無知は損』だと、私はつくづく実感しています。私は患者なので、制度によるサービスを受ける側ですが、サービスを提供する側にもさまざまな制度の縛りがあります。その事情までわかってこそ、win-winの発想が生まれるのです。
サービスを受ける側と提供する側の、知識と知恵を結集してこそ、お互いにとっての最適解が出せるのです。わからないことは、納得いくまで聞きましょう。コミュニケーションが困難ならば、なおさら自分の意思を示さないと、周りの人から現状で満足していると勘違いされてしまいます。
冒頭の写真に写っているALS患者の皆様は、自らの意思で道を切り開いてきた猛者たちです(笑)障害者だからこそ、人任せにせずに、自分が理解して納得のいく選択肢を選んで欲しいと思います。
この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ前社長)のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2018年12月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。