勾留決定に対する準抗告の棄却で裁判所の判断が出ていますね
日産を巡る法的攻防から目が離せないが、ゴーン氏の弁護団はどうやら勾留決定に対して準抗告の申し立てをしたようだから、手を拱いて検察当局の捜査を見ていたというわけではなさそうだ。
検察当局の判断を裁判所がそのまま受け入れるわけではない、という指摘があったが、本件では裁判所は準抗告を棄却したそうだから、今のところは検察当局の判断と裁判所の判断が大きく乖離しているということではなさそうである。
まあ、裁判所の判断も上級審で覆えされることがあるから、今の段階でゴーン氏等の法的主張の当否を判断する材料を持ち合わせていないが、ゴーン氏の弁護は相当きつそうだ、くらいのことは言っておいてもよさそうである。
特捜部の解体必至だなどと仰る方がおられるが、今の段階ではそこまでのことはない。
有罪判決が確定するまでは被告人や被疑者は無罪と推定すべきだと人は言うが…
無罪推定原則があることは間違いないが、だからと言って、被告人や被疑者をあらゆる場面で普通の人と同じように扱うべきだ、ということにはならない。
逮捕され、勾留決定が出され、起訴までされているという事情を何の予断も持たないで客観的に見られれば、まず無罪判決を獲得するのは難しいだろうな、と推測するくらいのことはどなたでもされるはずだ。
どういう判決が下されるだろうかと推測すること自体は、無罪推定原則に反することではない。
限りなく黒に近いグレーだとか、限りなく白に近いグレーだといった言い方はあり得るだろうが、起訴されている被告人について、被告人は無罪だ、確定的な白だ、などとは、普通の法律実務家は言わないものである。
まあ、法律実務家にも色々あるので、異論を唱えられる方が皆無だとは言えないのだが・・。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。