クリスマスのトリビアを美味しくいただこう

ケンズカフェ東京のガトーショコラ。著者より提供。

クリスマスがやってきました。フランス人のクリスマスは、「バカンス・ド・ノエル(クリスマス休暇)」と言われるくらい特別な時間として考えられています。クリスマスは家族とくつろぎのひと時を過ごす大切な時間なのです。フランス料理に欠かせないのがデセールです。デセールをつくる菓子職人のことをパティシエと呼びます。

今回は、『余計なことはやめなさい!ガトーショコラだけで年商3億円を実現するシェフのスゴイやり方』(集英社)を紹介します。著者は氏家健治シェフ。今回は、フランスのスイーツ事情について探っていきます。

フランスでパティシエは憧れの存在

フランスには、国家最優秀職人賞M.O.F.(Meilleur Ouvrier de France)という、フランス文化の最も優れた継承者にふさわしい職人に授与される称号が存在します。

「この称号は、日本であれば文化勲章や人間国宝のようなイメージかも知れません。M.O.F.コンクールは3年に一度開催されていて、合格者には、料理界の最高の栄誉が与えられます。大統領官邸であるエリゼ宮にてM.O.F.のメダルが授与され、誇りあるトリコロールカラーの襟のコックコートの着用が認められます」(氏家さん)

「対象はかなり広く、料理、製菓、パン以外にも、宝飾品、工芸品、ガーデニングなど多岐にわたります。しかし『料理』の分野がもっともメジャーで、三ツ星シェフとして知られるポール・ボキューズ(Paul Bocuse)、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)、アラン・デュカス(Alain Ducasse)など多数の有名料理人が受賞しています」(同)

氏家さんによれば、日本に郷土料理があるように、フランスにも各地方ごとのスイーツが存在するようです。たとえば、タルト・タタンは、19世紀後半のラモットにあるホテル・タタンでつくられたという言い伝えが残されています。

それでは皆様、メリークリスマス!

皆様はクリスマスの時期をご存知でしょうか。海外では、11月から「I wish you a merry Christmas!」と挨拶をすることが一般的です。この挨拶には「楽しいクリスマスを送れますように」という気持ちが込められています。

キリスト教ではアドベント(クリスマスの4回前の日曜日からの1ヶ月間)という期間があります。イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことで、待降節、降臨節などと呼ばれいます。アドベントには、ろうそくを第1主日(日曜日)に1本目のろうそくに火をともして、第4週までろうそくを増やしていく習慣があります。

さて、ガトーショコラを楽しむにはどのような方法があるのでしょうか。まず定番の深煎りのコーヒーやカフェオレ、ミルクティーによく合います。お子様は、ココアや温かいホットミルクでも美味しくいただけるでしょう。ぜひお試しください。

聖なる夜に幸あれ!「I wish you a merry Christmas!」

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員