こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
年末といえば様々な恒例行事があると思いますが、私にとってその一つが山田太郎・前参議院議員とのコミケでの街頭演説です。
過去記事:
ブロガー議員が冬のコミケに参戦して、表現の自由を訴えてみた(2014年)
https://otokitashun.com/blog/daily/5523/
2013年から山田太郎さんがスタートし、私は2014年冬から毎年参戦。今回で11回目となる街頭演説会ですが、残念ながら今年で終了(一区切り)となります。
終了の経緯については、山田太郎さん本人の文章をご確認ください。
オンラインサロン最終号 「支えてくださった皆さまへ感謝いたします」
http://taroyamada.jp/?p=9456
本日12月31日14時半~16時半が、5年間続いたコミケ前(国際展示場駅前)での最後の街頭演説会となります。
表現の自由は、何もせず守られるものではありません。ぜひ創作物やコミケを愛する皆さまに、少しでも立ち止まって耳を傾けていただければ幸いです。
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さて、今回の演説会もTPPの非親告罪化や静止画違法ダウンロード規制まで内容は多岐に渡りましたが、ある報道内容を巡って由々しき事態が起こっています。
きっかけは、全国新聞である毎日新聞が掲載した上記の記事。法律で取り締まられる「児童ポルノ」とはあくまで実在の児童が被害者として存在するものであり、二次元などの創作物は含まないと明確に定められています。
しかしながら毎日新聞の記事は、この「児童ポルノ」の中に、アニメやゲームなどの創作物が含まれると読み手が受け取れる内容になっていました。
記者の誤解、あるいは表現の誤りがあったのではないかと、AFEEが抗議と訂正を求めて公開質問状を送付したところ、昨日29日に返ってきた内容は驚くべきものでした。
なんと毎日新聞社は、部長クラスの責任者名義で「『児童ポルノ』の定義には、実在しない児童の性的描写(=創作物)を含むことがある」との回答を発表したのです!
大手報道機関がこのような偏見と誤解を生み出す姿勢をとることは、極めて大きな問題と言えます。
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「いや、何に怒っているのだかよくわからないんだけど…?」
という方のために、できるだけわかりやすく解説を試みますね(専門的な解説はAFEE記事をご一読ください)。
まず上記で述べていることの繰り返しになりますが、国が「児童ポルノ禁止法」で取り締まる「児童ポルノ」は、あくまで実在の児童が被害者として存在するものであり、二次元などの創作物は含まないと明確に定められています。
実際に殺人が起こすのと、殺人の描写をフィクションで描くのと同じくらいの違いが両者の間にはあるわけで、表現活動を萎縮させないためにも、罰則の対象となる「児童ポルノ」を明確に定義・制限するのは至極妥当なことです。
これは表現の自由を守るために極めて重要な線引で、山田太郎さんが参議院議員であったときに、国会答弁で明確な回答を引き出しています。
ところが毎日新聞は、端的に言えばこうした国の法律による定義や国会での議論をすっ飛ばして
「我が社は広義の児童ポルノに創作物も含まれると考えるし、そういう考えで報道することも問題ないと考えている」
と明言しており、実際に前述の報道ではあたかも「二次元創作物を持っていた犯罪者」がいるかのような書きぶりになってしまっています。
こうした不適切な表現・姿勢を新聞社などが取り続け、報道されることになれば、「コミケなどで取り扱われている二次元創作物=法律で禁止された児童ポルノ」という誤った認識が流布され、コミケや表現者に対する偏見を生み出すことになりかねません。
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もちろん、報道機関にも報道の自由・言論の自由があります。一方で受け取り手である我々にも当然、批判する自由があります。
このような「児童ポルノ=二次元創作物を含む」という誤解を招きかねない、極めて不正確かつ偏見を招く報道を続けることは間違いであり、撤回するべきだと強く主張していかなければなりません。
コミケなどの表現の場を守り、「ヲタク(オタク)」に対する誤った認識・偏見を広げないためにも、これは重要な闘いだと思います。
ぜひ今回の一連の報道に違和感を感じた方は、SNSなどで声をあげて、児童ポルノ=二次元創作物ではない・含まないという事実を伝えるためにご協力いただければ幸いです。
Voicyでも配信しましたので、宜しくお願いいたします。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2018年12月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。