心理学的働き方改革!正月モードから一瞬で切り替える方法

仕事始めは幸先よくいきたいところだけれども…

正月三が日も終わり、明日から仕事はじめという方も多いことでしょう。新年ですから新たな気持ちで幸先良いスタートダッシュと行きたいところですよね。

ですが、年末からしばらく休んでいると、なかなか気持ちが仕事モードに戻らないもの…。仕事のことを考えるだけで憂鬱になったり、出勤中も仕事中も眠気がとれなかったり、なんとなく体が重いなど体調がすぐれなかったり…。頭も体もすっきりしない方も多いのではないでしょうか。ここでは、正月モードを引きずってしまうあなたのために、一瞬で脳を活性化させて仕事モードに切り替える心理術をご紹介しましょう。

切り替えのポイントは現実感覚と生活リズム

そもそも、正月モードからなかなか切り替わらないのは、日常の現実感覚と生活リズムを失ってしまっていることが原因です。年末年始は長期休暇になりますし、忘年会、大晦日、年越し、初詣、お年賀のあいさつ…などなど、お祭り的なイベントの連続です。食事もいつもとは違うものの連続…。

非日常的な毎日が続くので仕事など本当の日常が「現実ではない」かのように感じられてしまいます。その結果、体も心も仕事を拒否してしまうモードに入ります。このことが、憂鬱や眠気、体が重い…といった仕事の不調の原因なのです。

現実感覚も日常の生活リズムも失ってしまうのは仕方のないことですが、仕事は言い訳が聞かないものです。仕事始めを幸先よくスタートするためには、まずは現実感覚と生活リズムを取り戻すことが重要です。

まずは仕事を通して得られるものを再確認しましょう

一つは仕事が私たちに与えてくれるものを再確認しましょう。仕事は単調でつまらないかもしれませんが、仕事を通して富、自尊心、そして信頼できる人間関係も得られるものです。仕事を通して私たちは素敵になることができるのです。まずは、あなたが働く意味を再確認しましょう。

カウントしながら息を吐きだし、仕事をイメージ

次に、職場や働いている自分、そして仕事上の課題やミッションをイメージしながら「1、2、3、…」と数をカウントしてください。そして息を思いっきり吐きだしましょう。肺が空っぽになるイメージで吐き出すと効果的です。

実は私たちの脳は課題やタスクを意識するとモードが切り替わります。脳科学ではタスクポジティブネットワークと言われるものが活性化して、快楽を追求する脳のネットワークを制御してくれるのです。仕事の手順やプロセスを具体的に意識するとより効果的です。また、新鮮な空気を取り込むことも脳の活性化に役立ちます。

働く意味を見出せない人は次のイベントを楽しみに!

ただ、仕事がストレスフルで働く意味を見出しにくい方も多いことでしょう。生きがいを感じる仕事にめぐり合えなかったことは残念なことですが、人でも仕事でもめぐり合いはご縁ものです。運の要素も大きいので、自分が素敵になれる仕事を得られるチャンスを待ちましょう。

ただ、仕事があるということは社会があなたを必要としているということです。必要とされているということはあなたに価値があるということです。自分に誇りをもって、次の非日常のイベントを楽しみに乗り切りましょう。働く意味を見出せなくても、タスクポジティブモードが活性化すると仕事がスムーズに、そして粛々と進むので嫌な仕事も早く終わります。ぜひ、試してみてくださいね。

お祭りもイベントも本来は「仕事」のためにある

ところで、なぜ日本人は現実感覚と生活のリズムを失うような年末年始を習慣にしてしまったのでしょうか。実は、日本におけるお祭り騒ぎは仕事を円滑にするためのものでした。

娯楽の少ない昔の日本のムラ社会では、おおむね貧しくて生活は苦しく、仕事はきつくもありました。私たちは単調で苦しい毎日だと生きる気力を失います。そこで、日々を営む英気を養うためにお祭り騒ぎ一定の間隔でおこなわれていました。

日本のムラ社会では月に一度は何かしらのお祭りが設けられ、お祭りによって気持ちを華やかにすることで苦しくてきつい日常を耐える心のエネルギーをもらっていたのです。お祭りの本当の意味を見失わずに、楽しむのが本当はいいのかもしれません。

2019年の仕事始めはみんなで幸先良いスタートダッシュを切りたいですね!!この一年、あなたがご多幸に恵まれますように。


杉山 崇

神奈川大学人間科学部教授・心理相談センター所長

臨床心理士・心理学者、1級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)

脳科学と融合した次世代型サイコセラピーの研究やTV・雑誌などマスメディアでの心理学解説で知られる。
講演・研修、執筆、メディア出演など、お問い合わせは公式ホームページから

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