都民ファーストのガバナンスの問題というよりも、小池さんの牽引力の問題なんだろうと思っている。
都民ファーストは、小池さんが代表を務めていたから小池さんの力で政治の世界ではおよそ未知数の新人を何人も当選させることが出来たが、小池さんが代表を退いて自分の秘書を代表にしたあたりから少しづつおかしくなっていた。
都民ファーストは小池さんあっての都民ファーストなので、小池さんが失速し始めたらどうしても力を失っていく。小池さんが代表をバトンタッチするのが早過ぎた、ということだろう。小池さんの代わりは小池さんにしか出来ない、ということだと思う。
都民ファーストに残っている方々も懸命に頑張っている様子が窺えるが、しかし小池さんに代わり得るほどの力は発揮出来ない。
小池さんは修羅場を何度も潜ってきている歴戦の勇士なので、一回の選挙しか経験したことがない人が小池さんと同じような力を持つようになれるとはとても思えない。
政治の世界における力は極めて属人的なものであって、滅多に他の人が引き継げるようなものではない。
都民ファーストの中では結構元気のいい3人の都議会議員が都民ファーストに離党届を出して新会派を結成することになったようだ。
かねてから一部で囁かれていたことが現実化しただけのことだから、特に騒ぎ立てるほどのことはないだろう。
都民ファーストを離党した3人の都議会議員は、2年半後の都議会議員選挙を見据えて動き出した、と思っておかれることだ。
風に乗って当選しただけの人は、風が止んだ時には必ず失速する。
今は、全国的に風が止んでいる状態である。
こういう状態のときに、自分の思い通りに動くことが出来ない、というのは、多分、ご本人にとって地獄の苦しみだったのだろう。
離党に踏み切った人を責めないことだ。
むしろ、同情するくらいでいい。
それぞれの人が思う存分、ご自分の納得出来るような政治活動を展開されていくことを期待している。
都民ファーストに残っている方々も、これからが頑張り時である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。